2010年11月8日月曜日

『週刊金曜日』2010年11月5日 第822号(その2)

「「家族」ってなんだろう?」の中からもう一つ。

「時代は「婚活」から「親婚活」へ?!」という記事。つまり、結婚する子どもが「婚活」をするのではなく、親が「婚活」をするのが、名古屋で登場しているという話ですが、これ、まんざらでもないと思います。

そもそも、「恋愛結婚」が多くなったのは、比較的最近の話で、それまではもっぱら親や親戚、近所の人達が縁談を持ち込んできたのが一般的だったのですから、ある意味それにもどったわけです。ですから、近代史を勉強している私にとっては、そういう話は普通で、それほど驚きの話でもないです。昔(私の専門は日露戦後から昭和初期くらいまでですので、私のいう「昔」はそのあたりのことですが)は、結婚式当日まで相手の顔を知らなかったなんて話はざらですから。

だいたい、結婚って当人同士のつながりだけではなく、むしろよっぽど家同士のつながりの部分が強くなるわけで、「親婚活」ならば、「家」として縁談をまとめることができると思いますので、案外うまくいくのではないかと思うのです。いちおう、本人同士のデートもあっての話ですから、そこで悪くなければ、「親の反対で・・・」ということもないわけです。

ただ問題は、この記事に出てくる子どもが三十代というのが少し気になりますね。このくらいの年齢ですと、もうすでに自分の生活パターンが決まってしまっているので、これから新しい生活に向かっていくということに対して、抵抗がでてしまうのではないかという点です。その年齢まで結婚しなかったのは、単に出会いに恵まれなかったというだけではなく、今の自分の生活を変えなければならないという覚悟を、決めることができなかったからなのでないかと思うからです。

ただ、少子化の現在、少しで多くのカップルが生まれて、新しい命が増えるチャンスが生まれることは、とても大切な事ですから、こういうカタチの「婚活」が全国に広まるとおもしろいと思います。この記事の「親婚活」の結果も、記事にならないかなぁ。

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