2010年11月15日月曜日

第15回朝日NIE講座(10月31日開催)

asahi.comのNIEのページに、第15回朝日NIE講座の様子が紹介されています。 パネルディスカッションのテーマは「新学習指導要領と新聞活用」で、その要旨が掲載されています。

来春から実施される新しい学習指導要領には新聞の活用が盛り込まれており、NIEに関わる関係者にとっては、どのように展開されていくのか、期待していることと思います。

パネリストの一人である、東京書籍小学社会編集長の堀畑仁宏氏は、新聞記事が多く登場する国語や社会の教科書を例示しながら、「教科書には限界がある。教科書と実社会をつなぐ橋渡しとして、現場の先生は本物の新聞を活用してほしい」とコメントされていますが、教科書には限界があることは、おそらく現場の教員はみんな分かっているはずで、しかし特に小学校、中学校では教科書を教えるので精一杯といった現実があるようであり、そのへんが現場の教員にとってはジレンマであることを教科書会社の人間はわかってくれているのだろうか。ただ、このようなコメントが教科書会社の人の口からでるのは意外な感じがします。
また、「「教科書どおり」という言葉は、子どもたちの学びが教科書にとどまっているということでもあります。新聞が採り入れられたことは「教科書どおり」を打破するきっかけになると期待しています。」とも発言されています。教科書会社の人間として、ここまで言っていいんでしょうか?(笑)ただ発言内容は、まさにおっしゃるとおりで、「教科書を教える」のではなく、「教科書で教える」 方向に、大きく一歩前進することが期待されますね。


新聞活用授業に取り組んできた川崎市立川崎中学校教頭の黒尾敏氏は、「いまは教師力が問われる時代。教師力とはまさに授業力であり、その意味で新聞活用が教材開発のチャンス、追い風になってほしいと考えています。」 とコメントされています。これは長年のNIE実践を行ってきた教員ならではの発言だと思います。特に中学校の先生の中には、教材研究に大変熱心な方が多いという印象がありますので、黒尾氏はまさにその実践者なのでしょう。このような方からすれば、やっと長年自分がやってきたことが陽の目を見るという感じなのでしょうね。このような先生の教育実践、ぜひ見てみたいですし、直接お話を伺ってみたいですね。

同じく新聞活用事業の実践者である東京都世田谷区立上北沢小学校教諭の羽賀絹恵氏は、「同世代の友人どうしで話してみると、教員が一番新聞を読んでいないかも知れない。教師がもっと新聞に目を通すことが必要ではないか。」とコメントされていますが、その通りだと思います。ビジネスマンは、いろいろな形で新聞の情報が仕事に活かされることが多いでしょうから、みなさん熱心に読まれるでしょう。特に日経新聞などは、その読み方や活用方を指南するビジネス本が多くありますから、やはり新聞を読んでなんぼという感じなのではないかと思いますが、教員は新聞を読んでいなくても仕事に支障が出ることはほとんどありませんからねぇ。

ただ、あまりに「新聞を活用しよう」と言うと、現場にとっては重荷になりかねません。今後、実際そのように感じる教員も多いのではないかと想像します。NIE実践者は理解しているはずですが、「 新聞はあくまでも教材のひとつである」ということをアピールする必要があるのではないでしょうか。「教科書や新聞などを使って教える」ということを理解していないと、やることが増えたと感じてしまう教員も出てきてしまうでしょう。
そのような状況に陥らないためにも、黒尾氏の次の発言はとても大切だと思います。

現場の教師としては「新聞の前に教育」、その意識を持ちたい。子どもたちにどんな力をつけたいか、その力をつけるためにどんな教材をどう使うのが効果的か。なぜ新聞という形式を選ぶのか。教師のねらい・目的を明確にした上で、新聞がもっとも効果的だから選ぶ。そこを見失ってはいけない。これからの知識基盤型社会で求められているのは、新しい局面に立ったとき、これまで学んだ力を活用して未習分野に挑んでいく力。一つの読み物に別の教材をぶつけると新しい視点が得られる。ぶつける相手として新聞が持つ可能性は高い。教師にとって教材開発の力が問われるとき、新聞は有力なメディア、というところから出発してほしい。


新しい学習指導要領によって、NIEの実践が増えていくことを期待する思いは、NIEを実践している私にもあります。
それと同時に、新聞を活用していく上で、「メデイアリテラシー」についても意識する必要があることを指摘しておきたいと思います。それを意識してNIEを実践することは、民主的な世の中を作っていくことに、多少貢献できるかもしれないなぁと思っています。

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