2010年11月11日木曜日

ブログ「経済ニュースゼミ」(2010年11月10日)の記事を読んで

小笠原誠治氏のブログです。11月10日は「金本位制」というタイトルでした。

「金本位制」と言われても、何のこっちゃという方が多いでしょうね。いちおう近代の歴史を勉強しているものにとっては、当たり前の話です。

日本で言えば、昭和の初期のころまで、金融の中心だったイギリスが金本位制を採用していたため、欧米では金本位制が一般的でした。
日本も近代化の中で、欧米に追いつくために金本位制を採用したかったのですが、金の保有量が十分ではなかったため、やむを得ず最初は「銀本位制」になりました(「銀本位制」は中国を中心としたアジアでは一般的でした)。なんとかして欧米並になりたかった日本は、日清戦争の賠償金でやっと「金本位制」を確立したのでした。

その後、第一次世界大戦の時に、一時期金本位制をやめていた日本が、昭和初期の世界恐慌の時に、金本位制に復帰しましたが、旧平価だったため、昭和恐慌の原因となってしまったのは有名な話ですね。

ところが、前述したようにその後イギリスが金本位制を停止し、ブロック経済に移行していったがために、世界中がブロック経済の保護貿易政策に移行し、日本が経済的に追い込まれてしまったわけです。

ですから、近代日本にとっては「金本位制」とは、苦い思い出ばかりなのです。

で、「金本位制」の話が出てくれば、「兌換紙幣」と「不換紙幣」の話になるわけですが、高校の授業で、「金本位制」や「兌換」「不換」の話をすると、とたんに生徒はポカーンとします。

現在の日本銀行券は「不換紙幣」なのですが、 小笠原氏のブログにもあるように、「不換紙幣」でも金を購入できるので、「兌換紙幣」とどこか違うのが、そもそも現在の紙幣が「不換紙幣」であることの認識がないので、「兌換紙幣」と「不換紙幣」の違いを言われても、何のことだかわからないというようなのです。

確かにそのような反応は仕方が無いと思います。私だって、たまたま近代史を学んでいたから理解出来ているのであって、そうじゃなければ難しい概念ですよね。自分で授業やってても、もっと分かりやすく説明できないか、毎回悪戦苦闘しています。

そんなことから、小笠原氏のブログは難しいかも知れませんが、ただ「金本位制」の問題に関してかなり分かりやすい説明だと思いますので、かなり良いと思います。その他も、やや難易度は高いですが、経済の勉強ができますので、興味のある方は一度覗いてみると良いと思います。メールマガジンもなかなか良いですよ。

ちなみに最新のブログは、「尖閣ビデオ」の話題です。

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