2011年3月31日木曜日

中学校も「脱ゆとり教育」

昨日3月30日、2012年度から中学校で使用する教科書の検定結果が発表になりました。
現行の04年度検定の教科書よりも記述が大幅に増加し、平均25%増だそうです(詳細はこちら)。

社会科教員としては、「日韓が領有権を主張する竹島は、社会の地理で全四社、公民で全七社が取り上げ、「日本固有の領土」などと記述。中国が領有権を主張する尖閣諸島は、地理一社、公民六社が扱った。」ということに、やはり注目せざるを得ません。
中国や韓国からのクレームが来ているようですが、日本の立場としてはやはりそのクレームに対しては認めない態度をとるのが正解なわけです。
竹島は某政権与党の幹部がまずいことをしてしまっていますし、韓国側の実効支配の強化の動きが進んでいるようですね。中国も挑発的な動きをしているようですが、それでも力づくの態度に対してはあっさり引き下がってはいけません。これは外交問題ですから、話し合いで解決すべき問題です。

もう一つは、今日31日の毎日新聞の社説にある「3・11」のことです(社説はこちら)。

未曽有の大災害ですから、当然そのことについて触れる場面はあるべきです。実際に教科書会社も訂正申請を検討しているようです(そのことについての記事はこちら)。ただしこれだけの被害ですから、来年度ではまだ様々な問題が残っているのではないかと思うのです。教科書に載せるとなるとその記述にかなり慎重を期す必要があると思います。特に被災地では、教科書への記載はまだ早いという空気があるのではないかと感じます。最新の情報を掲載することが必ずしも良いとは限りません。教科書会社には、慎重に検討して頂きたいです。

2011年3月30日水曜日

離任式&送別会

今日3月30日は、昼間は離任式、夜は送別会で、つい先ほど帰宅しました。

毎年のことですが、転退職される方々をお送りするのは、なんとも寂しいものです。
学校と言う場所は、様々な人間が協力することによって成り立っています。その年の、そのメンバーだからこそできたということがたくさんあるんだと思います。 同じように見えても、その年の学校の教職員のチームとしては、同じ結果は二度と生まれないわけです。まさに一期一会なわけです。

語り尽くせぬ思いが沢山あって、あっと言う間に時間が過ぎてしまいました。

転退職される方々のこれからのご活躍とご健康を心から祈ると同時に、残された我々もまた頑張っていかなければならないとの思いを新たにした次第です。

2011年3月29日火曜日

『週刊金曜日』2011年3月25日 840号

表紙は、福島第一原発3号機と4号機の写真ですが、かなり遠くから撮っているもののようで、ややぼんやりした感じですが、逆にそれが事の重大さを物語っています。

「原発震災」の見出しで、「破局は避けられるか」と題された原発震災問題の第一人者である広瀬隆氏のインタビュー記事が出ています。いかに現状が危険な状態なのか、東電がいかにおかしいのかがよくわかります。
このインタビュー記事は、ぜひ多くの方に読んでもらいたいです。

それから、槌田敦元名城大学教授へのインタビュー記事も必読です。「「想定外」という言い訳は通用しない」というタイトルですが、まさにそのとおりですね。

もう一つの注目は、やはり東井怜氏の「浜岡原発をそっこく止めろ!」ですね。私自身はここに書かれている内容はある程度知っていましたが、おそらく多くの方にとっては知らないことが多いと思いますので、読んでもらって、浜岡原発のことを考えてもらえるとうれしいですね。
それと並んで、「今週の巻頭トピック」の名古屋で浜岡原発の運転停止を要求する市民活動が活発化しているという記事に注目しました。特に名古屋での動きは知らなかったので、驚きです。このような動きは、おそらくテレビや新聞では大きく報道されることはないでしょうから、『週刊金曜日』を読んでいて良かったって感じです(笑)

今回の原発事故は明らかに人災なのです。原発は人間の手に負えるものではないのです。地震国日本では、原発はふさわしくない、不要なものなのです。
今週の『週刊金曜日』を読んで、そのことをぜひ知ってください。

2011年3月28日月曜日

福島原発事故の拡大は予測されていた!

今日3月28日の東京新聞に、「経済産業省原子力安全・保安院が、震災当日の十一日夜、東京電力福島第一原発事故に関して、三時間以内の「炉心溶融」を予測していたことが二十七日、分かった。」という記事が出ています(詳細はこちら)。
また、そのことは菅首相に報告されていたのに、対応が遅れ、最悪の事態になってしまった可能性が否定できないようです。

翌日菅首相が現地に視察にいっていますが、当初からこれに対する批判が多かったですが、原発の事故への対応が遅れたのは、それが原因の一つではないかと言われています。
枝野官房長官は当然否定していますが、もし多少の因果関係があったとすれば、これは大変なことです(枝野さんの会見記事はこちら)。

東電が数値を誤って発表したことに対して枝野さんは怒っていますが、何か違うような気がしますが・・・。

首相周辺や保安院、東電などがそれぞれ何かを隠しているのは間違いないでしょうね。はっきり言ったら、間違いなくパニックになるようなことだから言わないんでしょうけど。
しかし、そのせいで、被災地の方々からさらなる被害者が出ていることは事実です。今の状況は、政府やそれにつながる人たちが、被災者に対して傷口に塩を塗るような行為をしているとしか思えません。

普段は神や仏など気にもしませんが、こういう時には、神でも仏でもなんでもいいから、とにかく救ってくださいと、ただ祈るばかりです。

2011年3月27日日曜日

第17回統一地方選の政令市長選告示

本日3月27日告示の、今回の統一地方選挙で静岡県では、静岡市と浜松市で市長選があります。

しかし、浜松市は無投票で現職鈴木康友氏が当選となってしまいました。政令市の市長が無投票で決まるって、それでいいんでしょうか?
鈴木康友氏のバックには某有名自動車会社(軽No.1のあの会社です)の会長さんがついていて、浜松市はほとんどその自動車会社の会長の意のままになっていると言われています。ですから、対抗馬がなかなか出にくい状態にあるであろうことは想像できますが、政令市ですからねぇ。
まぁ、結果的に無投票当選になってしまったので仕方がないですが、またこの先数年は市民軽視の市政が行われることになるわけです。

静岡市は新人3人の選挙戦になります。一人は「減税日本」公認の元参院議員海野徹氏、2人目は民主、自民両党が事実上相乗りで支援する元県議田辺信宏氏、3人目は前市議会議長の安竹信男氏です。
ポイントは海野氏を減税日本の代表を務める河村たかし名古屋市長が全面的に支援するという点でしょう。名古屋での盛り上がりが静岡市でどこまで通じるかといったところですね。
それから、東海大震災が予想される静岡県ですから、防災の関しての各候補の考えがどうなのかがもうひとつのポイントになるでしょうか。

何ともあれ、このようなご時世での選挙ですし、明日は我が身の静岡県ですから、特に防災面のことを考慮できる候補が当選して欲しいです。
他県の皆さんも、それぞれの地域での各候補をじっくり検討してみて、積極的に投票に行くようにしましょう。

2011年3月26日土曜日

原発問題を考える集会のご案内

知り合いからメールでお知らせがあったので、ぜひ他の方にも知らせたいと思い、エントリーします。福島原発の問題に関心のある方、原発問題を考えるべきだと感じている方に向けての案内です。


緊急集会
福島原発事故の真相
3月11日の「東北関東大地震」にともない、東京電力福島第一発電所で炉心溶融、水素爆発、放射能漏れの大事故が起きました。
一体何が起きているのか?
何が報道されていないのか?
放射能汚染の事態は?
プルサーマルの3号機の状態は?
浜岡原発をどうすべきなのか?
事件の概要を学び、今後の活動を考えるために緊急集会を開きます。
ぜひご参加を!

    日時 2011年4月10日(日)13:30~
     会場 浜松市民協働センター第一研修室
(静岡県西部総合庁舎南)
           (℡:053-457-2616)

    講師:坂東喜久恵さん(たんぽぽ舎
   無料・カンパ

場所が浜松なので、静岡県内もしくは愛知県東部あたりの方が来ることが可能かと思いますので、興味のある方はどうぞ。
また、このブログを見に来てくださっている、浜松から遠い地域の方には、静岡県でこのような動きがあるということを、ぜひ知ってください。

2011年3月25日金曜日

『COURRiER Japon』 Vol.077 APRIL 2011

実は5月号(Vol.078 MAY)が、今日3月25日に発売になってますが、紹介するのは4月号です。

いいわけですが(笑)、年度末で忙しかったのと、地震と原発の問題があったので、なかなか読めなくて、もうじき次号が発売になると、あわてて昨日読んだものですから。おまけに、5月号は今日しっかり買ってきました。

特集は「世界で売れる「ヒットの法則」です。
K-POPやUGG、ダイソンなど、不況なのに売れているものに迫っています。
その中で、Case7として「QVC」が取り上げられています。日本でもケーブルテレビやBSで放送されていて、実は私も時々見るのですが、確かにおもしろいのです。本家のアメリカのテレビ通販番組などはかなり大げさで、一種のショーのようですよね。日本ではそこまではいきませんが、なんとなく見ていると欲しくなってしまうような何かがあります。私は買いませんが、女房はクイックアクセスの番号を覚えています(笑)
日本のテレビ通販番組なら、「ジャパネットたかた」が有名ですよね。あれも高田社長の独特の語り口に、つい引きこまれてしまいます。あの語りのウマさは、しゃべるものとしてはかなり見習うべきものがありますね。

他の記事としては、Jay-Zの記事がもっと多くても良かったかなと思います。ラッパーとして大変な人気を誇る彼は、プロデューサーとしても大成功をおさめています。ウォーレン・バフェットとの対談の記事ももっと読んでみたいですね。対談時の写真のバフェットがお茶目です。

特別付録として、「もうひとつの『ソーシャル・ネットワーク』」が巻末についていますが、これを読むと映画とはまるで違うマーク・ザッカーバーグの顔が見えます。本当のザッカーバーグはおそらくこちらの方だと思います。

ただ、4月号の中で私に一番響いたのは、「QUOTES 気になる発言をプレイバック」の中の、ナシーム・ニコラス・タレブが昨年末に出版した格言集『プロクルステスの寝床』(未邦訳)に出てくる次の言葉です。

教育は、賢者の知恵を少しだけ増やし、愚か者の危険性を大幅に増やす。

格言集、翻訳が出るといいなぁ。



★楽天ブックスで購入される場合には、こちらからどうぞ。★

2011年3月24日木曜日

中電、浜岡原発6号機の着工を先送りする方針(パート2)

今日3月24日の静岡新聞に、昨日23日に中電が「浜岡原発(御前崎市佐倉)の6号機新設計画を見直し、2015年に予定していた着工を1年間先送りすることを明らかにし」、「4号機で予定しているプルサーマル計画も延期する方針」を発表した会見のことが出ています(記事はこちら)。

ただ、「6号機の運転開始の目標は当初の計画通り、18〜22年を予定している。」ということですから、 あまり安心とは言えません。
また、「プルサーマル計画の実施については、東日本大震災と福島第1原発事故の分析を待つ 必要があることなどから、2012年春の定期検査時のMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料装荷は難しいとの見通しを示した」ということですので、MOX燃料使用に関しては、この期に及んでまだ諦めていないわけですね。

現在でも津波に対する安全性は確保されていると考えているが、」って何を根拠にそういうんでしょうか。その根拠を示した上での発言でも信用できるとは言いがたいのに、何の根拠もなくそう言われると、さらに不信感が増して来ます。

また、別の記事には、「福島第1原発が爆発した瞬間の印象を「極めて重大な事象が進行していると思った」と振り返」ったとあるのに、「地元から厳しい意見があるのは事実だが、日本の将来のエネルギーを考えると原発の必要性は変わらない」と言い続ける神経が理解できません。

ただ今後は、この記事の小林佐登志県危機管理監の話にあるように、「国民的な議論」が必要なのです。電力会社のみの判断に任せてはいけません。
しかし、まだ今は福島原発をとにかく安全な状態にし、東日本における放射能の影響を回復させることが最優先です。その後に、「国民的な議論」をしていきましょう。

2011年3月23日水曜日

やはり原発の設計は甘かった!

東京電力福島第1原発の設計などを担当した東芝の元社員2人による、「設計時は、これほどの大津波は想定しなかった」との証言がCHUNICHI wbeに出ています(記事はこちら)。 管見の限りではWEB上で他の新聞では確認できませんので、この記事、中日新聞だけのようですね。?

 設計時、東電が想定していた津波は最高5・5メートル。「当時は『マグニチュード(M)8・0以上の地震は起きない』といわれ、(10メートルを超えるような)大津波は設計条件に与えられていなかった」ということですが、実際は14メートルを上回る津波がきたのですから、そりゃひとたまりもないですよね。

当時の日本で原発は未経験分野。1、2号機を受注した東芝も担当したのは部品設計。プラント全体の設計は米ゼネラル・エレクトリック社(GE)が受注していた」と明かしたとのことです。

さらに恐ろしいことに、「女川や柏崎刈羽などの原発でも非常用発電などは同じ弱点がある」と指摘したというのです。

原発は人間が扱いきれるものではない。一人でも多くの人が気づいてほしい」 、「国も東電も「原発は安全」と強調してきたが、絶対に安全なんてことはないと感じていた。「どんなことが起こる可能性があるのか情報を徹底公開し、原発が本当にいるのかどうかを国民みんなで考えるべきだ」とと訴えています。設計者がそういうんですから、間違いないですよね。

最近の原発に関するエントリーで毎回言っていますが、とにかく原発政策を根本的に見なおさなければダメです!

2011年3月22日火曜日

浜岡原発に関する中電のコメントに対して

地震のニュースに気をとられているうちに、BLOGOSBLOGOSfinanceのトップページのデザインが変更になっていました。(3月26日に見たら、BLOGOS financeの方は元に戻っていました。私的には、前のトップページの方が好きだったので、良いんですけどね。)

BLOGOSにも、浜岡原発の問題についてエントリーされていました(こちら)。

浜岡原発は海岸との間に高さ10~15メートルの砂丘があり、この砂丘が津波を防ぐとした。」との中電のコメントが出ています。
浜岡には浜岡砂丘というかなり大規模な砂丘があるのは事実ですが、砂を採取してしまった結果、昔に比べるとかなり規模が小さくなっています。
説明会で「子どものころに波が砂丘を超えて池ができたことがある」と発言した住民の方がいらっしゃったようですが、その方が現在おいくつかはわかりませんが、おそらく現在の砂丘の規模はその方がお子さんだったころよりも小さいはずです。
つまり、今よりも砂丘がずっと大きかった時代にもそういうことがあったのですから、今回の地震のような規模の津波では、かなりの確率で波が砂丘を超えてしまう可能性があると予測できます。
ということは、中電の「砂丘が津波を防ぐ」という発言は、どれほど信ぴょう性があるか疑わしいわけです。それは「大震災後、中電は砂丘と原子炉建屋の間に、高さ12メートル以上の防波壁を設置する計画を公表。冷却用の海水を取り込むポンプの周囲に防水壁も設けることにした。これまで浜岡原発にはなかった発電機車2台も確保した」と述べた中電自身の言動が証明しています。

さらに説明会では「6、7回津波が起きても砂丘は耐えられるか」という質問がでたようですが、確かに津波は一回だけではなく、数回来ます。最初の津波でかなりの砂が流される可能性が高いでしょうから、第二波、第三波の時には砂丘は津波を防ぐ役割を果たさなくなっていることが想像されます。

結局、中電のコメントは基本的には信頼できないものだと言えます。
もっと、対応を求めなくてはいけません。浜岡原発に限らず、原発政策を根本的に考えなおさないといけないのです。

2011年3月21日月曜日

リビアへ軍事介入

日本が地震で動揺している間に、「オデッセイの夜明け」と名付けられた、英仏米などの多国籍軍によるリビアへの軍事介入の作戦が始まっています。

日本は、当然のことながら、この軍事介入を支持する談話を発表しています(このことに関する記事はこちら)。

今日21日の情勢としては、カダフィ政権の防空設備に大きな打撃を与えたようです(これに関する記事はこちら)。

我々日本人にとって、3月11日以降時間が止まってしまっている感覚がありますが、世界は確実に進んでいます。被災地のことを第一に考えることは当然ですし、原発のことを考えると他の国のことなど気にする余裕は無いかも知れませんが、気がついたら浦島太郎ってのも困りますので、やはり多少なりとも世界情勢へも気持ちを向けていないといけないですね。

14日に続き、備蓄石油の放出が行われることになりました(情報源はこちら)。被災地ではこれでも足りないでしょうが、これによって関東圏などの被災地以外の混乱が多少落ち着くといいのですが。

2011年3月20日日曜日

『週刊金曜日』2011年3月18日 839号

東北地方太平洋沖地震の影響で、発売日が18日に金曜日ではなく、翌日でした。
表紙の写真は、まさに衝撃的です(表紙は『週刊金曜日』のHPで確認できますが、最新刊のみですので、Amazonのこちらでご覧ください)。

ウチの女房が、この写真を見て、「まるで空襲の後みたい」とつぶやいていました。普段、『週刊金曜日』を手に取ることがない彼女が、表紙を見た後、中を読んでいました。

メインはもちろん、東北地方太平洋沖地震と福島原発に関してですが、どちらかと言えば原発ネタが強いのは、『週刊金曜日』らしいところです。
記事の中で、原子力安全保安院の会見の時、伊田記者が質問したときにNHKが生中継をスタジオからの報道に切り替えたというものがあります。
私もその会見を見ていて、質問者のなかに、確かに「『週刊金曜日』の~」という発言を聞きましたが、その後の質問も流れていた記憶があるので、私が見ていたのはNHK以外の局だったのでしょう。
本誌でも述べられていますが、あの会見は全く要領の得ないものでした。結局その後、福島原発の事故は大惨事になったわけですが、明らかにあの会見は何かを隠していたんだと思います。

「想定外だった」という理由は許されないことです。原発のようなものは、最悪のことを想定したうえで行うべきことなのですから、それを「想定外だった」とするのは、結局「ちゃんと考えていなかった」と言っているのに等しいのです。
おそらく、福島原発以外も同様なのです。だからこそ、昨日のエントリーに書いた、浜岡原発でも新しい対策として新しい防波堤をつくるという発表になったのでしょうから。つまり、最悪の状態をきちんと考えたうえでの営業だったら、今回の事故を受けて新たな対策をとらなくても良いはずなのに、対策をとらなければならないのです。

本誌でも主張されているように、「原子力政策は根本的に見直」すことが、絶対に必要です。

もう一つ、「君が代不起立」の根津公子先生の話が出ています。根津先生にとって、最後の卒業式だそうです。
実際に不起立はしない、あるいは出来無いにしても、根津先生の思いは、我々は受け継いていくことが大切だと思います。 何も考えずに「君が代」を歌い、「日の丸」を掲げるのではなく、その意味をしっかりと考えなくてはなりません。
正直言って、実際に不起立は難しいですが、何も考えずに起立し、掲揚に従うのではなく、しっかり考え、議論することがとても大切だと思います。

なお、3月20日現在、Amazonでは「この本は現在お取り扱いできません。」となっていますので、ご注意ください。

 

2011年3月19日土曜日

中電、浜岡原発6号機の着工を先送りする方針

CHUNICHI Webに、タイトルに掲げたような記事が出ています(記事はこちら)。

正直、当たり前だと思います。今までその方針を発表しなかったことのほうが、むしろ驚きです。

記事の中には、「4号機でウランと毒性の強いプルトニウムの混合燃料を使うプルサーマル計画を今年1月の実施予定から先送りしており、来年3月以降の早期実施を目指している。」との文章がありますが、こちらの方も先送りするのが当たり前だと思いますが。

中電は昨日18日に地元に対する説明会を開き、新たな津波対策として防波堤をつくる計画を明らかにしていますが、6号機に関しても、プルサーマルに関しても、地元に対していくら説明をしても、現状では当然地元の理解は得られないでしょう(説明会についての報道はこちら)。
実は、今日19日、私は別件で浜岡原発のある御前崎市に行き、市の職員と話をしたのですが、市の職員ですすら、中電に対して疑心暗鬼な状態です。中にははっきりと不安を口にした方もいました。一般住民なら、なおさら浜岡原発に対する不安や中電に対する不信感は強いものになっているでしょう。

浜岡では、第1号機の受け入れの時には大変激しい反対運動が起こっていますが、今回の福島原発問題で、その時の運動に対する再評価の必要を痛感しています。
浜岡が原発を受け入れた理由として、この地域が東海道線からも離れていて、非常に貧しい地域だったということがあります。当時は原発を誘致することで、この地域の活性化を狙っていたわけですが、本当にその判断は正しかったのか、今一度、浜岡原発が作られた頃のことを見直し、浜岡原発に限らず、日本の原発政策を根本から考えなければならないと思っています。

2011年3月18日金曜日

福島原発と浜岡原発

福島原発の事故は、やはりスリーマイル島のレベルと判断されましたね(情報源はこちら)。この先、どうなるのか、とにかく不安ですね。

この福島原発の事故を見て、浜岡原発に対する関心が、私の周りでも高まっています。それまで、全く原発に対する関心を持っていないように見えていた人たちが、暇さえあればネットで福島原発に関する情報を見ています。
私が「原発に関心があるんですか?」と聞きましたら、皆さん、ほぼ同じようなことを答えられました。それは、「浜岡原発を止めなきゃ。次は我々が危ない!」というものでした。

おそらく、日本の他の原発がある地域の方も、福島原発を見て、同様に不安を持っているでしょうが、静岡県は富士宮で地震があったばかりですし、もともと東海地震、東南海地震などの大規模な地震が来る可能性が高い地域とされていて、地震に対する県民の意識が高い地域ですので、原発の問題に対しても、同様に意識が高まってきているのだと思います。
それだけではなく、津波に対する考えかたや、学校が避難所になった時の運営に関しても、再検討の必要性を感じているのです。
 まもなく新年度になりますので、原発に対しても地震の問題に対しても、新たな検討が必要なんだとという思いが強まっているのだと思います。

2011年3月17日木曜日

本や雑誌を発売日に発売することが困難な状況

GIGAZINEを見ていたら、こんな記事がエントリーされていました。

まぁ、仕方がないですね。本がないと生きていけない人間にとっては、定期的に読んでいる雑誌や気になっているタイトルの本の発売日は、朝から仕事そっちのけで、帰りに書店によって雑誌や本を確認して、買って帰ることばかりが頭をめぐっていますが、今回のような場合は別ですね。

ただ、この情報、具体的にどこの地域に、どれくらい遅れが出るのかがわからないのですが、少なくとも発売日に書店に行って、置いて無ければ、遅れているんだなと思うしか無いってことですね。
 まぁ、今の私は、机の横に文庫、新書、単行本、雑誌取り混ぜて20冊くらいがまだ積ん読状態ですので、この山を崩すのにちょうど良いのですが(笑)

また、一方で比較的良いニュースとしては、「電力需要が供給力を上回ることで起こる大規模停電が、回避できる見通しになった」という、東京電力の発表ですね。節電の成果が出ているようです。
皆さん、今後も節電に心がけましょう。

2011年3月16日水曜日

静岡・富士宮で震度6強!!

昨日3月15日午後10時31分頃(もう数秒で32分という感じ)のことでした(地震の詳細はこちらをどうぞ)。

震源地が深さ14キロという直下型の地震だったので、震源地に近い富士宮は震度6強でしたが、幸い私の住む地域は震度3ないし4でした。東北地方太平洋沖地震の時も同じような震度でしたが、あの時とは揺れかたが違いました。
あのときはまるでめまいがしているようだったと多くの方が言っていましたが、大きく横に揺れた感じでした。
今回は縦揺れが最初にあり、小刻みな横揺れを感じましたので、近いかなと直感的に思いました。ドコモの緊急地震速報のメールには山梨県と出ていましたが、まさか県内が震源地とは。

夜の地震は怖いです。なんせ暗いですから、外がどのような状態になっているのかわかりませんから。ニュースに釘付けになりましたが、富士宮でも大きな揺れだったわりには、それほど大きな被害もなかったようで、良かったです。
浜岡原発のある御前崎市は震度3だったようなので、当然全く問題なしです。しかし、不安感は高まりました。仲間内では、原発問題を考える会を開いたらどうかという話や浜岡原発の反対運動をした方から話を聞く会を開けないかなどと、メールでやりとりをし始めています。

実際のところはわかりませんが、おそらく、今日は「買いだめ」に走った人が多かったのではないかと想像します。
東京に親族が住んでいますので、一昨日乾電池を送ったのですが、すでにその時には、乾電池やカップヌードル、パン、缶詰、トイレットペーパー、水などはかなり品薄状態で、やっとのおもいで手に入れました。今度はこちらに本当に地震が来てしまいましたから、その不安感はうなぎのぼりです。

しかし、政府の呼びかけのように、「買いだめ」はできるだけ控えるべきです。まずは、本当に物資の必要な被災地に回して、それ以外の地域は不安な気持ちはわかりますが、実際に困っているわけではないですから、我慢しましょう。こういうときは、みんなが少しづつ我慢することが大切です。ツイッターで広まっている「ウエシマ作戦」を拡大させましょう。私はまだツイッターはやっていないので、正直言って、はじめ「ウエシマ作戦」って何?って思いましたが、こちらを見て納得です。
同様に、「ヤシマ作戦」なるものも展開中だそうです。私はアニメに疎いのでいまいちピンと来ませんが、ただ節電は必要ですので、これもぜひ実行していきましょう。

2011年3月15日火曜日

東京電力って、ある意味スゴイ!

東京をはじめ、「計画停電」のおかけで大混乱に陥っている地域の方には申し訳ないですが、ハタから見ていると、かなり滑稽な状態に見えます(おちゃらけブロガーで有名なちきりんさんも同じように感じているようです。こちらにそのことがエントリーされています)。一つの民間会社に、日本中がこれだけ振り回されるなんて。
停電問題にしても原発問題にしても、東京電力のノラリクラリとした対応は、菅さんじゃなくても怒りますよね。役所よりも上を行く秘密主義というか、お役所仕事的というか、一体何を考えているでしょう?

そういう東京電力のせいで、テレビの話題は停電と福島原発の話が多くなっているように感じますし、世界的にも原発問題に興味が向いているように思います。
福島第一原発は次々にダメになって、結局全部ダメなのではないでしょうか。放射能をまき散らして、まるで怪獣みたいなイメージです。ゴジラが登場するんじゃないかなんて思ってしまいます(要は、現実とは思えない、まるで映画を観ているような感じってことです)。

会社自体が大きくなりすぎてしまって、こうなってしまっているのではないでしょうか。
菅さん、この問題が収まったら、東京電力という現在の会社は一度本当に潰して、国鉄や日本道路公団のように分割したらいかがでしょうか。

2011年3月14日月曜日

情報混乱の恐ろしさ

東京電力の計画停電の情報が混乱していて、結局は夕方に第5グループと呼んでいた地域のみに実施されているようですね。

福島原発の情報も、1号機、3号機の水素爆発の件が、どうも一部で核爆発と誤解されているようで、情報が錯綜しているようです。
かくいう私も、先日のエントリーで、「「原発」が爆発すれば「原爆」と同じだ」との誤解を招く発言をしてしまっていますので、訂正します。「原爆」の「核爆発」と今回の福島原発の「水素爆発」は、根本的に違いますので、誤解のないようにしてください。これに関しての詳細は、ちょうどBLOGOSに池田信夫氏が書かれていますので、こちらを御覧ください。

携帯ではチェーンメールが増えているようです。

基本的に、このような大規模災害の時には、情報が混乱し、噂やデマが飛び舞います。ましてや、未曽有の大災害であり、これほど広い地域に影響している東日本大震災ですから、なおさらでしょう。

インターネットで情報が飛び交っていますので、取捨選択するのはかなり難しいですが、噂やデマに惑わせられた状態ほど、恐ろしいことはありません。歴史的には関東大震災の時に、デマによって朝鮮人や中国人の多数が犠牲になった事例が有名ですね。
被災地以外の地域では、いっそのこと、必要以上の情報はシャットダウンして、惑わせられないように注意したほうが良いかもしれません。 また、このような時の発言には言葉に気をつけないといけませんね(自分自身の反省も込めて)。

2011年3月13日日曜日

浜岡原発はやはり不安

福島第一原発一号機の爆発は、水素爆発だったということらしいですね。さらに三号機もかなり危険な状態にあり、同じような現象が起こる可能性があるようです。
これって、スリーマイル島の時と同じじゃないですか?!
住民の方も被爆された方が出てしまったとのことですが、この問題を東京電力や国はどう責任をとるつもりなんでしょうか?地震による被災だけでもオオゴトなのに。東京電力や国が原発に対する考えをもっと厳しい基準にしておけば二重に被災される方がでなかったかもしれないのにと思うと、悔しくて仕方がありません。これは完全に人災なのですから。

昨日のエントリーでも書きましたが、静岡県、特に原発のある地元では浜岡原発への不安が大きくなっていて、地元での話し合いがもたれたそうです。静岡新聞中日新聞でそのことが報道されていますが、これを読んでいると、中部電力の妙な自信が、かえって気になりますね。本当に大丈夫なのでしょうか?正直言って、見方が甘い気がします。福島原発の二の舞になることは決して許されることではありません。念には念を入れて、それでも万が一があるかもしれないのですから、さらなる対策を望みます。

2011年3月12日土曜日

福島原発、爆発?!

東日本大震災の被害が徐々に拡大しています。

福島第一原発の一号機で爆発が起こったことは確かなようです。
「原発」が爆発すれば、「原爆」です。

東海大震災が予想されている静岡県にも浜岡原発がありますので、東海大震災が起これば、浜岡原発も福島第一原発と同じように、「原爆」になる可能性が、かなり高いということですね。

最初の宮城県沖の地震による地殻変動によって、他の地域の地震も起きたようですから、東海大震災の可能性も高まってきているのではないかと想像せざるをえません。
中部電力は、当然それを予想して浜岡原発にたいして、さらにしっかりと対策をとることは必然です。

しかし、いざという時に逃げるといっても、一体どこへ逃げるのか、どうやって逃げるのかと考えると、どうしようもないような気がします。
私としては、全く知らない土地で最後を迎えるよりは、ある意味覚悟を決めて、地元で最後を迎えた方がいい、そう腹をくくるしかないような気がします。

とにかく、今は事態を見守るしかないですが、昨日からテレビを見ていて、かなり気が滅入っています。直接被災された方々のストレスはどれほどかと思うと、胸が痛いです。
現地の方々には謹んでお見舞い申しあげます。

2011年3月11日金曜日

東北・関東大地震

東北・関東大地震で被災された方々には、一日も早い復旧をお祈りいたします。

日本列島の海岸線が、石川、鳥取、島根あたりをのぞくほぼ全域で、津波の可能性がある状態になっています。

静岡県でも今まで聞いたことがない、「大津波警報」が出されて、まだ仕事中でしたから、校内に居る生徒を2階の教室に集めて、保護者と連絡をとらせたり、迎えを頼ませたりと大変でした。万が一を考えれば、大げさすぎるほどの警戒をしておくに越したことがないわけです。まぁ、幸いなことに私の居る地域は多少の津波がありましたが、大きな被害が出ているような情報はありませんので、大丈夫だと思いますが。

宮城県の方では、夕方までにかけて被害が徐々に拡大していく方向になりましたが、ニュースではつぎつぎと新しい情報が入ってきていますが、夜になってしまったので、明日の朝、明るくなってからが心配ですね。

石原都知事の出馬表明が、地震で吹っ飛んでしまいましたが、地震の問題がある程度収まってから、別の意味で激震が走ることになるやもしれませんね。

2011年3月10日木曜日

日の丸・君が代訴訟、逆転判決!

朝日新聞他各紙に出ていますが、以下はasahi.comの記事からです。

日の丸への起立や君が代斉唱を義務づけた東京都教育委員会の通達に反したとして、懲戒処分を受けた都立学校の教員約170人が処分取り消しと慰謝料を求めた訴訟で、東京高裁(大橋寛明裁判長)は10日、通達は合憲として請求を退けた一審・東京地裁判決を覆し、処分を取り消す逆転判決を言い渡した。 
通達そのものは適法だったが、処分は行き過ぎで懲戒権の乱用だと判断した。

これは適切な判決ですね。「通達そのものは適法」というのは少し引っかかりますが、懲戒権の乱用であることを認めているのは良い方向だと思います。とりあえず、これはOKです。

ただ、まだ他にも類似の訴訟がありますので、この判決が他の訴訟の判断にも良い影響を与えて欲しいですね。この問題は、この先もまだまだ闘いが続いていきますが、このように一つ一つ勝っていけることを期待してやみません。

2011年3月9日水曜日

記憶力も論理性もどちらも必要

BLOGOS financeに、wasting time?氏が「ネットの普及は記憶する能力の必要性を低下させるか」をエントリーされています。

私も、基本的にwasting time?氏の意見に同感です。
何かを論理的に考えるためには、その材料となる基本的知識が必要なわけです。何の知識もなしでは、そもそも考えることはできません。ですから、いくらネットで何でも調べられるようになったとはいえ、いろんなことを知らないと意味がないのです。だいたい、ネットで何かを調べるに当たっても、例えばキーワードなどを知らなければ、適切な検索はできませんし、当然正しい答えを調べることはできません。

どうも世間では何かがあると、極端な方向の意見が強まってしまう傾向があるように思いますが、実際には、バランスが大切なわけです。論理的思考が大切だと主張する方は、おそらくすでにある程度の知識をお持ちになってる方で、そういう方から見れば、どうしてもそう思ってしまうんだろうなぁと感じます。

しかし、現実的に若者の基本的知識の量は、昔に比べるとかなり減っています。昔の教育を経験してきた方々にとっては、「そんなことも知らないのか」と驚くような状態だと思います。
今の若者にとっては、何か知らないことがあっても、他のみんなも知らないからと、違和感を感じないのです。昔ならば、知らなくて恥ずかしいと思いましたが、今はそう思わないようです。それこそ、そんな事知らなくても困らないし、いざとなればネットで調べれば良いと思っているわけですが、実際いざという時に、何もわからない状態で検索をかけるので、本当に正しい情報なのかも理解できず、そのまま鵜呑みにしてしまうといった状況が多いように思います。

やはり、記録と思考はどちらも必要なわけですし、この二つは分けて考えるものではないのです。ですから、入試でも理想的にはこの二つを見ることができるような問題が望ましいわけですが、そのような問題を作るのはなかなか難しいのが事実です。

世の中バランスが大切ですね。

2011年3月8日火曜日

「非正規教員」が過去最高

毎日jpの記事によると、「昨年5月1日現在の公立小中学校の教員数は69万9567人。内訳は正規教員58万8794人▽常勤講師5万9150人▽非常勤講師4万9835人▽その他1788人で、常勤と非常勤を合わせた非正規教員は10万8985人」で、非正規教員が「今年度10万9000人となり、教員全体の15・6%と過去最高になった」ということです。

15%ですと、6~7人に1人が非正規教員ということですね。確かに、そう言われるとそのくらい居るように思います。私の勤務校は高校ですが、今年度は新採の関係や加配などでたまたま多いのですが、常勤講師の方が4人、再任用の方が4人、非常勤の方が3人いますので、かなりの割合になります。

娘の小学校でも、何人かの講師の方(娘は一年生なので、お手伝いの先生と読んでいます)がいらっしゃるようですし、知り合いの娘さんが中学校で常勤講師をしています。その娘さんは、かれこれ5~6年講師をやっているはずです。
その子はご両親と同居しているので、なんとかなっているようなのですが、一人暮らしをしていれば生活ができないでしょうね。そのことに関する記事も毎日jpにありますが、掛け持ちしないと生活できないうえ、担任も持たされ、部活もやり、ほとんど正規教員と同じで、教員採用試験の勉強などをしている暇はないと思います。

自治体側にしてみれば、正規教員1人分の給料で、複数雇えるので、人出不足を補うことができて良いということなのでしょうが、それぞれの記事にもあるように、これでは非正規の方も不幸ですし、子どもたちも担任などがコロコロ変わるなどしてかわいそうな状態にあります。 そんな状況で、教育の良い結果がでるはずもなく、にもかかわらず教員の力量不足などと言われる始末ですから、全てにおいて不幸な状況です。

PISAの報告が発表になったころ、いろいろな意見が出されていたなかに、日本は国が教育にかけているお金が少ないという話がありました。お金が潤沢ではないのはわかりますが、ケチッた結果、結局たいしたことのない国民ばかりをつくりだしてしまい、経済的に他の国に負けているということになっているわけで、ますます経済的に厳しくなるという悪循環なのではないかと思うのです。
元首相の小泉さんの時に話題になった「百俵の米」のような考えかたをしていかないと、日本はますます落ち込んでいってしまうのではないかと思わざるを得ません。
日本をもっと良くしたいのならば(というか、良くしていかないと困りますが)、教育にもっとお金をかけるべきだと思います。

2011年3月7日月曜日

今年の高校入試の社会科で感じたこと

今日3月7日は、静岡県の高校入試の採点日でした。当然、細かい話はできませんが、採点をしていて感じたことを、少しコメントします。

中学校の社会科は、歴史的分野、地理的分野、公民的分野に分かれていて、高校入試もそれぞれの分野から出題されています。
入試問題は新聞に出ていますし、大手の進学塾のHP(佐鳴予備校のHPに掲載分はこちら)にもアップされていますが、今年の問題は、設問に対する提示資料が適切ではなかったものがいくつかあったように思います。

中学生レベルですと、どうしても提示された資料に引きずられた解答になってしまう傾向が強いように思います。もしかしたら、塾などでは、資料にヒントがあると教えているのかも知れませんが、解答として求めているものと、資料に書かれている内容とに多少の誤差があり、資料をそのまま読んで答えると、解答が違ってしまうものが多かったように思います。
つまり、中学生は資料から読み取ったものを、自信満々に解答したのに、実際にはバツを貰っている、もしくは部分点のみという状況になってしまっているものが多かったように感じました。

これは、当然出題者側の問題ですが、ただ中学生も設問に対して、何を答えるのが適切なのかがいまいち分かっていないのではないかと思うのです。つまり、設問を読んでも答えとして求められていることが十分理解できず、そのためにヒントかもしれないと考える資料を使って答えれば正解になるはずだと考えたかもしれないということです。

実は高校生でも同じなのですが、要は問題文を読み解く力が不十分なために、正確に答えられないのではないかと思うのです。つまり、読解力の問題、日本語の問題なのではないかということです。

昨年話題になったPISAで、読解力が向上したとされましたが、実際の現場ではその実感はあまりありません。学力の高い生徒は、読解力があるからこそ、何を答えとして求められているのかを正確に読み取ることができるために、正しい答えを導いているのだと思います。それゆえに、成績が良いのではないでしょうか。

「ゆとり教育」の弊害として、学習量を減らしたことにより知識量が減少したとする見方があります。ですから、新しい学習指導要領のもとでの教科書は3割増しとなっているわけです。
確かに知識量の絶対的不足もありますが、日本語を読み解く力、教科で言えば国語的な力の不足も問題としなくてはいけないのではないかと感じた次第です。

もうひとつは、やはりもっと歴史を、特に近現代史を学んで欲しいということです。
朝鮮半島を植民地としていったあたりの問題が出題されていたのですが、どうもそのへんの知識がしっかりしていないと感じる解答が多かったのです。
昨年は朝鮮併合100年でしたから、中学校でも多少は例年よりも話をしっかりしたのではないかと想像していたのですが、もしかするとそれほどでもなかったのかもしれません。

大学入試センター試験での近現代史重視の傾向が強まっている中で、中学校と高校での近現代史に関する知識を学ぶ量のギャップが激しいのではないかと思います。
高校の歴史の教員としては、とにかく近現代史をもっとやらなければと感じているのですが、その当たりのことを十分に踏まえないといけないなぁと思いました。
まぁ、現代社会や政治経済などでも、近現代史とからむ部分がかなりありますので、その辺の授業でも歴史的知識を意識した授業展開が必要なのかも知れません。ただ、そうするとますます難しい授業になってしまうでしょうが(笑)

2011年3月6日日曜日

大逆事件判決・処刑100年

1911年1月18日、大逆事件の判決が下り、1週間もしない24日に幸徳秋水ら11人が、25日に管野スガが処刑されていますので、ちょっと遅くなりましたが、大逆事件関連の書籍の紹介です。
昨年は、大逆事件100年ということで、いろいろと関連本が出たりしましたが、個人的には田中伸尚氏の『大逆事件 死と生の群像』と、黒岩比佐子氏の『パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』が一番良かったと思っています。

大逆事件に関しては、高校の日本史の教科書にもでてきますので、名前だけは知っているという場合も多いでしょうが、詳細はあまり知られていないと思います。
今日では、大逆事件は官憲のでっち上げ事件だということが明らかになっていますので、処刑された12人はもちろん無実の罪で処刑され、実刑を受けた残りの人間ももちろん無実の罪により人生を狂わせられたわけです。
この事件以降、官憲による横暴が激しくなっていくわけで、今日の検察のあり方にもつながっているように思われます。

幸徳以下の実刑判決を受けた人々とそれを取り巻く人々について、詳細に調査されているのが、田中氏の著作です。私自身、本書を読んで初めて知った事実が多く、田中氏は実に丹念に粘りづよく調べ上げていて、尊敬の念すらいだきました。 今後大逆事件に関する著作の代表的なものとして、本書は取り上げられていくことになるでしょう。

黒岩氏の著作は、幸徳とともにこの時期の社会主義者として代表的な、しかしたまたま大逆事件に巻き込まれなかった堺利彦と、その堺が大逆事件による「社会主義冬の時代」をしのぐべく設立させた「売文社」についてを記したものです。幸徳や堺といえば、「平民社」が有名なのですが、本書を読むと、社会主義運動を語る上では「平民社」よりは「売文社」の方がより重要な存在だったことがわかりますし、堺利彦がどのような人物だったかということがはっきりわかります。

田中氏の著作では大逆事件の巻き込まれた人々の実像を、黒岩氏の著作では大逆事件に巻き込まれなかった人々の実像がそれぞれわかります。
ですから、大逆事件とは一体なんだったのかを知りたければ、田中氏と黒岩氏の著作は必読書だと思いますし、今後大逆事件について知りたいと思っている人には、この二冊は必ず進めるべきだと思います。それくらい良い本です。

『大逆事件 死と生の群像』 田中伸尚 岩波書店 2010年 2700円+税

『パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』 黒岩比佐子 講談社 2010年 2400円+税






大逆...
大逆...
著者:田中伸尚
価格:2,835円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る
★楽天ブックスで購入される場合には、こちらからどうぞ。★

パンと...
パンと...
著者:黒岩比佐子
価格:2,520円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る
★楽天ブックスで購入される場合には、こちらからどうぞ。★

2011年3月5日土曜日

3月4日づけ日経新聞社説について

世界で競える個性豊かな「人」づくりを」と題された、教育改革の必要性を訴える社説です。

教育の改革はもちろん必要です。問題は、どのような改革を行うのか、その中身です。
いちおう、この4月から小学校では新しい指導要領になりますし、中学校では来年度からですので、まずはその成行きを見守る必要があります。数年はその効果を検討してから、その後再度改革の実施が必要かどうか検討する必要があります。コロコロ変えられては現場はたまったものではありませんし、教育の効果は1~2年ではわからないからです。

ただそれとは別に、どのような「人」をつくっていく必要があるのかという議論は、常に行われる必要があるかと思います。特に社会の変化が早く激しい現代にあって、時代を先取りできるような教育改革を行うためには、あらゆる機会に議論を深める必要があるでしょう。

日経新聞の社説で主張されている、育むべき3つの「個の力」は、実はどれも従来から主張されている内容です。ただ日経の主張の良いところは、「国は大きな戦略と、向かうべき方向のみを定め、具体的な教育の中身は、地域や現場に委ねて創意工夫を引き出すべきだ」 としていることです。「全国各地でいろいろな教え方、学び方を試みる制度」にすべきであるとする意見は大変すばらしいと思います。

多くの人が今の世の中に必要な力をわかっているのに、それを身につけるための教育がうまくできていない(と、私は思っています)のは、画一的な教育だからだと思います。
教員の中には、かなり優秀な人間がいることは間違いないのですが、現状の画一的なあり方では、その能力が最大限に発揮された教育を行うことができません。もっと現場の裁量に任せた教育が実現されれば、能力を持った教員がもっと活きてくると思います。
そのような観点からも、日経の社説での主張はなかなか良いです。

2011年3月4日金曜日

『週刊金曜日』2011年3月4日 837号

特集は、「菅政権がノーテンキに進めるTPPは日本を壊す」です。

これに関しては、いろいろと議論がありますが、総合的に考えてみると、やはり日本にとっては問題が多いように思います。やはり何らかの利権があって、誰かが進めるように動いているのではないかと思ってしまいます。
民主党政権は「政治主導」をうたっていましたが、結局は官僚に操られているように思えてしまいますね。

もう一つ、「日航123便墜落の謎(下)」が掲載されています。
整備不良があったようですが、ポイントなのは、写真分析の結果、123便に向かって飛んでいる「オレンジ」の物体ですね。当時自衛隊が採用していた無人標的機がオレンジ色に塗装されていたということのようですが、もしこれが原因だったとすると、とんでもないことです。
ボイスレコーダーに残されていた機長の言葉は、本誌にそれを聞けるサイトのアドレスが出ていましたので実際に聞いてみたのですが、記事の中でも指摘されているように、私も「オレンジや」と関西弁で言っているように聞こえました。
副機長の、「キャプテン、あれ見てください。あれ」の後に、機長が「オレンジや」と言っている、これならば話はつじつまが合うわけです。
写真に写っている、123便に向かって飛んでいるオレンジの物体、それを発見した副機長が、機長に向かって声をかけ、機長がオレンジの何かを見た・・・・・、そしてこの後、123便が墜落しているのです。

記事の中にもありますが、官庁の地下にはものすごい広い倉庫があります。私も昔、仕事の関係で運輸省の地下倉庫の一角に入ったことがありますが、この事件に関する資料も、きっとそこに眠っているはずですから、絶対に再調査しないといけません。そうしなければ、犠牲になった方々もこのままでは浮かばれないと思います。

2011年3月3日木曜日

入試問題ネット流出について(その2)

今日3月3日、入試問題のネット流出の犯人が、仙台の予備校生だということがわかり、その予備校生が、偽計業務妨害で逮捕されたため、その話題でもちきりですね。

職場でも、今日は高校入試の学力検査の日だったんですが、試験監督の合間合間に、ネットニュースなどを見て、話をしていました。
意外だったのは、逮捕までは行きすぎなのではないかという、予備校生に対する同情論が多かったということです。
高校教員は教育という面を考慮しますので、案外若者の行動に対して寛容な部分があるようです。しかし私は、ダメなものはダメという人間なので、こういう時は、他の方と意見が合いません。

今年こそはと思ったのならば、予備校生が本来とるべき行動は、それだけしっかり勉強すべきだったのです。 それがこのような間違った方向に行ってしまったのですから、彼の行為をそんなに甘く見てはいけないと思います。

これだけ大騒ぎになって、おそらく予備校生本人が一番びっくりしているはずですが、彼の行動はそれほど大きかったんだということに、本人は気がついているでしょうか?
大学を不合格になったうえに、さらに逮捕までされたという点では、二重の罰を与えられていることになりますが、実際世間では何か事を起こしたら、結果的に二重にも三重にも罰が与えられることは往々にしてあり得ることです。そうじゃなければ、模倣犯が出てくるでしょうし、このようなことを軽く考える若者が増えてしまうでしょう。若者の軽い考えが、実は大変重大な問題を引き起こす可能性があるということを、このような機会を通じて知らしめるのは必要なことだと思います。

私自身も、全てを性悪説で考えているわけではありません。性善説と性悪説を、時と場合によってうまく使いわけるのが本来だと思います。ただ、結果的に間違った行動をとってしまい、それが社会的にこれだけ大きな話題となってしまったからには、大学側の不手際などはとりあえず置いといて、それなりに責任をとらなければならないと思います。

保護者もショックが大きいでしょうが、子どもがどんなに大人になっても、保護者はやはり責任を持つべきだと思います。ましてや予備校生はまだ未成年ですから、責任の何割かは保護者の責任でもあると思います。

これで一応犯人の問題は解決するので、大学側はしっかり対応策を検討しないといけませんね。
また、教育界全体でも、もう少し議論を深めていくことも大切だと思います。
そう簡単に、一件落着にしてはいけません。

2011年3月2日水曜日

『週刊金曜日』2011年2月25日 836号

特集は「学校は会社ではない!」です。

教育現場に会社的な考えかた、ビジネスの手法が次々に導入され、教育が「商品」「サービス」になってしまっています。今週に特集はそれに疑問を投げかけるものです。

実際の教育現場にいる人間としては、ある程度会社的発送を取り入れることは、決して悪いことではないと思っています。マネジメントの手法は、教育現場でも役に立つこともあります。昨年話題になった『もしドラ』は、リアルに現実の学校現場のような錯覚すら感じるもので、いかにもありそうな話だからこそ、なおさら話題になったのだと思っています。

ただし、何事も行き過ぎはいけません。何でもかんでも、ビジネスの手法が良いとは限りません。「教育」は、ビジネスとは違って、直ぐに成果が出る部分とそうでない部分とが混在しています。それを考えないで突っ走れば、どこかに矛盾が生じてきます。

今日のように、先行きが見えない社会で、生徒たちに頑張らせようとしても、いくら頑張っても報われない部分が多いように見えてしまう世の中になってしまっていますので、勉強に向かわせるのが難しいのが現状です。ですから、都立高校のようなやり方が広まりを見せているのもやむを得ないことです。しかし、本当はそうじゃないと多くの教員は思っていると思います。

現場の教員だって、つらいんです。「本当の教育」は、今のような現場の状況とは違うと思っていても、社会の大きな流れが、学校に対してそう要求されているのですから、ある程度はそれに従わなければならないと自分自身に言い聞かせながら、しかしその中でも「本当の教育」のあり方を模索していくわけです。

教育評論家の尾木直樹氏がテレビのバラエティー番組で人気になっているのは、ちょっと違うような気がします。今週の『週刊金曜日』でも、尾木氏のインタビュー記事が出ていて、その意見は的確なことを述べているのですが、デレビでの「尾木ママ」の受け止め方には、やや疑問です。それを売りにしてる芸人ならばともかく、尾木氏は教育評論家として代表的な人物なのに、どうも「イロモノ」扱いされているような部分を感じてしまいます。
「自分はお客である」との意識を持つ保護者が、学校教育に対してなおさら、間違って考えを深めてしまう可能性があるように思います。

静岡県では、明日から公立高校の入試です。来年度の新しい学校への第一歩でもあります。ちょっと遅いですけど、このような時期にこそ、教育のあり方を考える必要があります。ただ、残念ながら実際には入試業務が忙しくて、考える余裕はありませんが。

2011年3月1日火曜日

高校の卒業式

今日3月1日は、静岡県のほとんどの公立高校で卒業式でした。私立高校も卒業式というところも多いようですし、全国的にも今日卒業式という地域は多いようです。

とにかく、今日卒業された皆さん、ご卒業おめでとうございます!
これからは、それぞれの道を目指して、今まで以上の努力していくことが大切です。
「努力にまさる天才なし」という言葉もあります。コツコツと積み重ねていくことが、自分にとって大きな財産になります。例え、社会の状況がどのような状況であろうと、前進し続けることで道は開けるはずです。
今日は、照れくさいかも知れませんが、今までの18年間を支えてくれたご両親に、ぜひ声に出してありがとうの感謝の言葉を言ってみてください。そして、これからもよろしくと。

正直言って、本当に頑張らなければならないのは、これからだと思います。つらいことも多いですが、そんな時は母校に遊びに行ってみるといいですね。高校の教員は、卒業生が来てくれることを喜んでいます(きっと)。

若いんですから、多少のリスクを恐れずに、いろいろなことにチャレンジしてみてください。