2011年1月28日金曜日

沖縄への修学旅行が減少

今日、1月28日の『琉球新報』の社説に、沖縄への修学旅行がピーク時の2006年から3年連続で減少しているという記事が出ています。

高校の修学旅行の定番といえば沖縄と北海道ですが、ネックは金額です。公立高校では、修学旅行の予算はだいたい10万円前後だと思います。沖縄や北海道だと、交通費が大きいので、予算のうちのかなりの金額を占めてしまいます。
そこで、最近は同じような金額で行ける、海外への修学旅行が増えてきつつあるのです。韓国やシンガポール、マレーシアあたりなら、国内への修学旅行とさほど変わらない金額でいけるので、いっそ海外へということになるようです。また、それを売りにしている学校もあります。

しかし、修学旅行なのですから、やはり勉強しに行って欲しいものです。海外への修学旅行でも、研修次第では生徒にとってはとても良い修学旅行になりますが、教員の事前指導が大変ですし、その大変さの割には、観光旅行気分が強い感じが否めません。

北海道への修学旅行はよく知らないので、あまりコメント出来ませんが、ただ北海道への入植の歴史やアイヌとの関わりなど、アイヌから「アイヌシモリ」を奪っていった事実を学ぶことが出来ますので、北海道への修学旅行はとても意義があります(もしかすると、現実はスキー旅行が多いのかも知れませんが)。

一方沖縄への修学旅行は、「平和学習」が一般的なのではないかと思います。どうしても戦争のことを考える修学旅行になりがちなのはわかりますが、沖縄戦中心だけだともったいないですね。
昨年ならば、普天間問題がありましたから、米軍基地をバスで巡ってみて沖縄の現実を見ながら、沖縄の戦争から戦後の歴史を学ぶことが出来るでしょう。
首里城に行くのならば、琉球王国の歴史を学ぶでしょうが、そのさい琉球王国が江戸時代に薩摩藩の支配を受けつつ、清に朝貢していたが、それでも独立国だったという事実や、明治時代の「琉球処分」の意味(つまり琉球王国が日本に占領されたという事実)を学ぶことができます。さらにそこから、何故沖縄に米軍基地が置かれ続けているのかなど、現在の政治状況との関係についても学ぶことができます。

『琉球新報」の社説では、「触れ合いの場の創出 」を提案しています。確かにこれもイイですが、私としては修学旅行は、やはり沖縄の歴史を日本の若者が学ぶ機会として欲しいと思います。ですから、沖縄への修学旅行減少はとても残念です。

しかし今こそ、沖縄へ修学旅行に行くことは、とてもいろいろなことを考えさせることができると思います。全国の学校の先生方、ぜひ沖縄への修学旅行をご検討ください。特に、社会科の先生に頑張ってもらいたいです。きちんとした事前研修をやるためには、社会科の先生方の力が必要ですから。なんでしたら、私がプレゼンに伺いましょうか(笑)

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