2011年1月18日火曜日

2011年度大学入試センター試験 倫理について

今日は、倫理についてです。問題は、大学入試センターのHPからどうぞ。

全体的に、今年の倫理は問題とかの文章量が多いなぁという印象です(ちゃんと数えたわけではありませんので、あくまでも問題を解いたときの印象ですが)。そのために、時間がかかったという受験生もいたのではないかと思います。

第1問は青年期の心理に関する問題です。例年通りのお約束ですね。どの問題も、問題文をしっかり読んで、論理的に考えていけば、特に知識がなくても解ける問題が多いです。
問3のグラフの読み取り問題も、ちょっと長いですが文章をよく読んで、これもちょっと多いですがグラフをよく見れば、答えることができる問題です。ただ時間がかかったかもしれませんが。

第2問は東西源流思想に関する問題です。これもオーソドックスで、孔子、イスラーム教、イエス、ブッダなどは教科書レベルの知識で十分に解答できたでしょう。
やや難しいのは、問1のプラトンの著作(『パイドン』)についてでしょうか。高校生では、『パイドン』まではやっていない者が多いかもしれませんので、正解率は低いかもしれないですね。
しかし、それを除けば点数がとれる問題だったと思います。

第3問は日本思想の問題です。「他者への善行」をテーマにした問題ですが、古代から近現代まで幅広く出題されています。ただ、どれも標準的なものなので、基本事項をしっかり学んでいた受験生なら、とくに難しいこともないでしょう。

第4問は西洋近代思想の問題です。「寛容」をテーマにした問題で、問2のボッカチオの『デカメロン』の資料読解問題は、資料が長いので、やや時間がかかったでしょうが、よく読めば分かるはずです。
問6のロックの寛容思想も、一見難しく見えたと思いますが、問題文中に出てくるヒントにさえ気づけば、寛容思想が分かっていなくても解答出来ます。
この問題は、全体的に易しかったと思います。

第5問は「友情・公平・連帯」をめぐる、現代社会の諸問題に関する問題です。
問1のサン=シモンとフーリエの思想の違いを理解できている受験生はあまり多く無いのではないかと思います。
問4のグラフの読み取り問題、問5の資料の読み取り問題は、読み取りの力が必要で多少時間がかかったかもしれません。ただ、きちんと問題文を読み込めれば、解答できたと思います。

今年の平均点も、高得点が期待できるのではないかと思います。最初に述べたように、ちょっと文章量が多い感じがしますので、時間が足りなくなりそうで慌てた受験生もいた事でしょうが、慌てないでじっくり取り組めば、かなり得点できる問題だったと思います。
倫理は、高校生にとって取っ付きにくいかもしれませんが、しっかり勉強すれば良い点数が期待できる科目ですね。

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