2011年1月16日日曜日

2011年度大学入試センター試験 現代社会について

日本史Bに引き続き、現代社会についてコメントします。問題は大学入試センターのHPで確認して下さい。

なぜ、現代社会を取り上げたのかというと、もうすでに新聞でご存知の方もいらっしゃると思いますが、問題にプリンセス・プリンセスの『Diamonds』が取り上げられたからです(その記事はこちら)。 プリンセス・プリンセス、通称プリプリはバンドブームの当時、ガールズバンドで最も成功したグループですので、40代以上の方には、よくご存知の懐かしいバンドだと思います。
『Diamonds』以外には、『世界でいちばん熱い夏』などが有名ですが、個人的には、なんといっても『M』ですね。1988年リリースのアルバムからのカット曲で、『Diamonds』のB面だった曲ですが、ドラムスのきょんちゃんこと富田京子の実体験を元に書いた詩に、かおりちゃんこと奥田香(現在は俳優岸谷五朗の奥さんです)が曲をつけたもので、失恋した女の子の切ない思いをしっとりと謳い上げた名曲だと思います(その証拠に、いろんな人がカバーしています)。

あっ、プリプリの話で本題を忘れるところでした(笑)

今年の現代社会の問題は、各分野からまんべんなく出題されていて、バランスのとれた良い問題だったと思います。例年通りの知識を問う問題がほとんどでしたが、4つの文章から正解あるいは間違いを選択させる問題が多かったので、それほど難しいとは思いません。

第1問は、広く現代の日本の諸課題について、経済を中心にしていますが、総合的な問題として出題されています。
問4は表からの読み取りの問題ですが、慌てずにきちんと読みこめば特に難しくないはずです。
問7は臓器移植法の改正に関する出題ですが、昨年はその法律による臓器移植が相次いで行われ、ニュースで取り上げられていましたから、時事問題対策をしっかりしていた生徒は大丈夫でしょう。私としても、やっぱり出たなぁという感じですが、実は私自身はまだ授業でとりあげていなかったりして(笑)やらなきゃ。
問8はエネルギー問題ですが、コージェネレーションの言葉が難しいかもしれません。

第2問は、 国際社会の諸課題に関する問題です。
問5で「調べ学習」の問題が復活しており、グラフでたじろいだ生徒もいるだろうと思います。じっくり考えればわかるはずですが、ビビってできなかった生徒もいるはずです。その他は、ニュースを見ていればヒントになるような事柄が出てきた問題なので、標準的なレベルだと思います。

第3問は、地域社会の諸問題に関する問題です。
問1は思想史の問題なので、出来なかった生徒が多いはずですが、正解はリースマンなので難しくはありません。
問2はゴールドプランについての知識を問う問題ですが、これは古いので知らない生徒も多いでしょう。私自身も授業ではもう触れないことが多いですから、出来なかった生徒が多いのではないでしょうか。
問5は地方財政の歳入構成のグラフですが、「地方税」、「地方交付税」、「国庫支出金」の割合の順番は悩んだ生徒が多かったはずです。正直言って、問題をパッと見たとき、私も最初間違えました。
問6も迷った生徒が多いはずです。解答の選択肢が8つもあって、かなりきちんと問題文を読み解いていかないと解答できなかったでしょう。
問8もグラフの読み取りですが、グラフが少し分かりづらかったような気がします。

第4問は青年期と情報社会に関する問題です。
問1は学説と人名を正確に覚えていないと解けない問題ですので、難しいと感じた生徒も多いと思います。
問5は対人関係上の権利侵害に関わる出題で、現代的課題の内容なので、関心を持っていた生徒にとっては難しくなかったはずです。

第5問は日本企業に関する問題です。株式会社に関連して広く出題されているので、経済分野が苦手な生徒にとっては難しかったでしょう。

第6問は地方自治と環境に関する問題です。
問3は「「法定受託事務」、「機関委任事務」、「団体委任事務」の区別がきちんと付いていないと解けないので、難しいと感じる生徒が多かったと思います。特に「機関委任事務」は1999年制定の地方分権一括法により廃止されたものなので、なおさら分かっていない生徒もいたと思います。

全体としては平年並みといったところだと思います。平均点も昨年が58.76点なので、同じくらいになるのではないでしょうか。

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