2011年7月12日火曜日

『週刊金曜日』2011年7月8日 854号

特集は「放射能はどこに落ちた」ですが、いつものようにそれ以外の気になる記事をピックアップします。

ひとつは、「大藤理子の政治時評」です。菅首相が辞めると言って、なかなか辞めないことに対して、これは案外良いのではないかと評価しています。私も同じように思います。
よくわからない理由で、あっさり首相を辞めてしまった過去の方たちからすれば、一国の首相ですから、そう簡単には辞めない、あるいは辞めたくないという方が自然だと思います。
大藤氏の記事の中で言っていますが、「脱原発」を進めるためには、今のような菅首相の状況は武器になると思います。菅首相には、出来ればもう少し悪あがきしてもらって、できるだけ「脱原発」を実現する方向に向けていって欲しいですね。

二つ目は、「東京電力の正体」で、「フジ・メディア・ホールディングス」の株主総会の話が出ていて、「フジ・メディア・ホールディングス」は原発推進メディアだという記事です。
これを読んで思い出したのですが、浜岡原発のある御前崎市佐倉は、産経新聞の社長で「フジサンケイグループ」の土台を築いた水野成夫の出身地だということです。「フジ・メディア・ホールディングス」が原発推進メディアだという話、浜岡に原発があるという事実は、水野成夫という人物で繋がっているというわけです。

三つ目は、中学校の歴史・公民の教科書の話です。自由社版の教科書は、ひところ話題になった「つくる会」の教科書であることはお分かりかと思います。
もう一つ育鵬社版の教科書も同じ系統の教科書だということのようです。育鵬社とは聞きなれない会社だと思ったら、以前「つくる会」の教科書を出していた扶桑社の100%出資の子会社だとのことですから、歴史を学ぶ人間からすると当然ダメな教科書なわけです。何がダメがというと、とにかく記述が偏っていて、史実ではないことが出ているのです。
高校教員の目から見ると、とにかく今の中学校の教科書は全体的にいまいちな感じなのですが、さらに自由社版や育鵬社版の教科書では、なおさらダメです。
普通の書籍ならば別に構わないですが、教科書としては、自由社、育鵬社ともに採択されないようにしなければなりません。

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