2011年7月17日日曜日

『週刊金曜日』2011年7月15日 855号

今週号は、「編集長後記」と、「金曜日から」で北村肇氏のコメントがポイントが高いですね。
特に、北原氏が言っているように「何が何でも原発は廃炉にすべきであり、電力問題も含め「その後、どうするか」と議論を立てるのが正解です。」「人間が制御できない技術を実用化してはいけない、それだけのことです。」という言葉は、まさにその通りだと思います。


もうひとつは、先週に続き育鵬社・自由社版教科書に関する記事が出ており、二社に共通の特徴的な問題点を具体的に指摘しています。
やはり、間違いが多いということは言えるようですね。もうひとつは、戦争に関する記述、それに関連して人権に関する記述に問題があるという感じのようです。とにかく、間違いが多くかつそれをきちんと訂正しないというのは、教科書としてはおろか、一般書籍としてもダメな本ですから、根本的にこの二社のものはダメだと思います。多くの中学生は、教科書に載っていることが正しいことと考えますから、そのような教科書を使えば、間違いなく間違った認識を持つ人間になるわけです。本人がそれに気がついて、その間違いを修正出来れば良いですが、かなりの人間はそれはなかなか難しいですから、育鵬社・自由社版教科書は使わない方が良いのです。特に問題の無い、普通の教科書を使っていたって、歴史は変化していきますから、自分が昔習ったことが改められていることがあるのです。多くの方は「学校では習わない歴史」とか「教科書には載っていない歴史」とかいうテレビ番組で、初めてそれを知るということになるわけです。


もうひとつの道徳教育の話も、ちょっと考えさせされます。
個人的には、最近の子どもは規範意識が薄いという印象があるので、何らかの道徳教育があった方が良いのではないかと思う時があります。何らかの指標になるものを与えた方が、子ども達が動きやすいのではないかと思う場面が時折あるからです。
その意味では、道徳教育は多少必要なのではないかと思うのですが、今週号の記事に出てくるような道徳的価値の刷り込みは、問題だと思います。
ある程度の愛国心は必要です。特に、今のような状況で「がんばろう日本」のメッセージも悪くはないと思います。ただし、あれだけ頻繁にテレビで流れていると、ちょっとうんざりしますが。大人はいいですけど、子どもはどうなんだろうと思います。おそらく、素直に「日本は強い国」って思うのでしょうね。それはそれで悪くはないですけど、復興の時にそう思って頑張るのはいいですけど、それ以上になってしまうと問題ですよね。まぁ、このような懸念は大概、戦前の修身やアジア・太平洋戦争のイメージがダブルからなんですけど。
今年度から実施の新学習指導要領では、愛国心を核とした道徳教育が柱となっているのですから、先の教科書の問題と合わせて考える必要があると思いますし、特に社会科の教員はこれらのことを意識し、勉強していかないといけないですね。教員がバランスの良い感覚を持っていることが大切ですから。

0 件のコメント:

コメントを投稿