多くの大学では、推薦・AO入試の真っ只中の時期です。AO入試のほうは、峠を超えたという段階くらいでしょうか。これから推薦入試が多くなって行くわけです。(就職の生徒も2学期に試験ですが、就職の生徒は9月中にはその指導を終わらせないといけませんので。今は、最初の就職試験も一通り終わり、内定をもらえた生徒が出てきました。このご時世でありがたいことです。)
で、推薦・AO入試、どちらでも必要になってくるのは、志望理由書です。AO入試の場合には、エントリーシートに、志望理由を書く欄がある大学もあるので、改めて出す必要がないところもあって、すでに指導が終わっている生徒もいますが。
毎年、二学期に入ると、3年生が志望理由書や小論文などの指導を受けにやってくるのですが、昨日も一人指導をお願いにやってきたので、今日見てあげました。昨日、とりあえず、下書き程度のものを何か書いてくるように指示しておいたのですが、今日見ると、何も書いていません。「なんだぁ~、何も書いて来なかったの?」と聞くと、
「だって、志望理由書って、何書いていいのか、わからないんだもん!」との返事。
これは、今年に限ったことではないんです。例年、ほとんどの生徒がこう答えるんです。
しかし、だいたい志望理由書には、「その学校(学部・学科)を選んだ理由」、「自己PR」、「入学後の目標」の3つくらいの質問について書くようになっているので、書くことは明確なはずなのです。にもかかわらず、
「志望理由書って、難しい!!」という生徒が多いのです。
毎年、何を難しいと言っているのか、いまいち理解できないのですが、仕方が無いので、対話しながら、少しずつ書き進めさせています。私が質問したことに答えさせていくと、悩みながらも答えてくれるので、その答えを紙に書かせていきます。
簡単な対話法でその生徒が考えていることを引き出しながら、それを紙にまとめさせていくと、数回やるとなんとかカタチになるのです。
終わった後に、書いた紙を見た生徒は、「あ、書けてる!」、「すごーい!!」、「これで、いいんだ」。
書き終わった後に話を聞くと、どうも難しく考えているようで、なかなか筆が進まないようです。 思うに、一つは文章を書き慣れていないこと、一つは「志望理由」の言葉からの連想で、難しいものを想像しているといったあたりなのではないでしょうか。何せ、漢字が苦手という生徒が多いですから。
どうも、いろんな学校で同じような感じのようです。
やはり、文章は「慣れ」が必要でしょう。小学校、中学校と文章を書く機会が多ければ、もっと違うのではないかと思います。また、書いたものを誰かに見てもらうということも、文章を書く訓練には大切なことだと思います。
昨年の3年生で、新聞スクラップをさせてそれにコメントを書かせる宿題をさせたところ、数回やったころから、かなりしっかりとしたことを書く生徒が出てきたので話を聞いてみると、中学校でも3年生の時 に一年間同じようなことをやった経験があるということでした。高校入学後はやっていなかったということですが、私が担当してやるようになったこと で、中学の時のことを思い出したら、どんどん書けるようになってきたということでした。
やはり、一度ある程度文章を書く練習をしたことがあると、多少ブランクがあっても、高校生くらいなら再びやり始めると、それを思い出して書けるようになるようです。
今年入学してきた1年生の自分のクラスの生徒も、例年と同じように文章に慣れていないだろうと思い、新聞スクラップにコメントを書かせる宿題を、4月以来やらせています。半年ほどたった今、個人差はありますが、なかにはかなり文章らしきものが書けるようになってきた生徒がいます。これを3年生まで続けていけば、少しは違うのではないかと思っているのですが、はたしてどうなるでしょうか。
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