2010年10月26日火曜日

『日経ビジネスアソシエ』2010年11月2日・11月16日合併号

文房具好きにはおなじみの「決定版手帳術2011」が特集1ですが、今回は特集2の「「ジョブス流プレゼン」の極意」の方を取り上げます。

私も、手帳特集に惹かれて購入したのですが、手帳特集は真剣に読むというよりは、眺めて楽しむといった用途なので、ちょこちょこ見ていくので、ゆっくりなんです。おまけに、かなり長い期間にわたって眺めていきますので、特集を読み終わるころには、前の方に書いてあったことを忘れている(笑)ので、また再度眺め直す(笑)という方法で、次の『趣味の文房具』とかのエイ出版の雑誌などの文房具関連雑誌や本が出るの待つわけです(次は『ノート&ダイアリースタイルブック』5が11月5日に発売のようですね)。

それで、特集2のプレゼンの記事の方ですが、良く考えて見ると、教員が生徒に授業を行うのも、見方によってはプレゼンなわけです。というか、そういう感じでやると、おもしろいんじゃないかと思ったわけです。

STAGE1で、iPhoneの「セカイカメラ」を考えた井口尊仁氏の話が出ています。iPhoneユーザーではないので、「セカイカメラ」はよくわからないのですが、井口氏はプレゼンの鉄則として、

LOOK UP(上を見る) BELIEVE(信じる) STRUGGLE(戦う)

EXPOSE(さらす) IMAGINE(想像する) CHANGE(変える)

の6つを上げています。

「LOOK UP」:「セカイカメラ」のコンセプトで、「下を向いてパソコンをさわっているのではなく、外に出よう」という意味のようですが(つまり「書を捨てよ、町へ出よう」ってことですね)、プレゼンでも伝えたいことがあるかが大事で、伝えたいことを見つけたら、それを自分の外に向かって発信しようってことのようです。これはまさに、その日の授業で教員が生徒に伝えたいことを、生徒に向かって発信するってことに繋がるのではないかと思うのです。教員は生徒に伝えたいことをたくさん持っています。その意味では、「LOOK UP」はOKでしょう。

「BELIEVE」:自分がそれで本当に世界を変えられると信じているかどうか、ということのようです。自分が生徒に授業を通して、様々なことを伝えることで、未来を作っていくんだと信じているからこそ、すぐには結果がでず、自分たちの成果がわからないにもかかわらず、教員としてやっていけるのです。その強い信念がないと、授業も生徒には伝わりません。 

「STRUGGLE」:学校教育は日々、戦いだと思います。エネルギーの塊である若者(だから、時々無駄なエネルギーを発散するために、色々とやらかしてくれるわけですが(笑)でも、若いうちはそういう経験があったほうが良いと思います)と日々向きあっているのですから、生徒に勝つ必要はないですが、負けないようにしなければなりません。

「EXPOSE」:自分の胸の内をさらさないと、生徒も心を開いてはくれないということです。こちらが腕組みをして怖い顔で立っていれば、生徒だって萎縮してしまいますし、おべっかを使ってごまかそうとするでしょう。授業中だって、時間が終わるまでおとなしくしていれば良いと、ただひたすら時計とにらめっこでは、我々の伝えたいことは伝わりません。

「IMAGINE」:授業などでも、教員はどうしてもしゃべりすぎます。伝えたいことが多くてそうなるのですが、そんなに多くては当然覚えきれませんし、話を聞いているうちに、嫌になってしまうでしょう。教員がすべて説明するのではなく、生徒に想像力を働かせてもらい、考えてもらうために、できるだけシンプルにしたほうが良いでしょう。これは自分への反省でもあります(笑)

CHANGE:教員の指導を通して、生徒に変化を起こさせるのが大切です。勉強をしなかった生徒が、勉強をするようになる、遅刻ばかりの生徒が遅刻しないようになる、提出物を出さなかった生徒がきちんと期限どおりに出すようになる、このように変化してくれることが教員にとっては、自分がやっていることへの手応えになるわけですし、一つの評価にもなるわけです。

井口氏が提示している、プレゼンの6つの鉄則はこのようにすべてが学校教育で言い換えることができます。
日常のちょっとした思いつきや雑談の積み重ねが大事で、日々決戦。常にアンテナを張り、ヒントを求めて、人と対談し、仮説をぶつける。これらはプレゼンで大切なことですが、すべてが学校教育のなかで活用できるわけです。
ビジネスマンにとってプレゼンが大切なのは当たり前ですが、教員にも必要だという主張は、このような点から言っているのです。ジョブズの劇場型と称されるプレゼンを見ていると、ますますそう感じるのです。

この記事のEPILOGUEでは、「次は、あなたが「Imagine&Change」を起こす番だ!」と書かれています。教員もまさにこれだと思います。ジョブズ流プレゼン、学んでみる価値はあると思います。ジョブズのいくつかのプレゼンやスピーチの動画が見れるサイトも案内されていますので、動画も見てみると良いと思います。

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