2010年10月15日金曜日

『週刊金曜日』2010年10月15日 819号

受験生が会場にズラッと並んだ、周辺がやや歪んだ写真と、「高校に行けない!」の文字、その下に「同世代対談 田中美絵子vs.雨宮処凛」と書かれた表紙でしたので、「高校無償化」になったが、それだけではダメだよ的な内容なのかと思いましたが、全然違ってました。

神奈川県では、公立高校全日制の定員が少なく、私立にいくか、公立にこだわるなら定時制か通信制かということらしいのですが、その定時制や通信制も統合が進み、満足な学校ではなくなっているらしいのです。以前から、このような話は聞いたことがありましたが、かなりひどい事態になっているようです。
まだ静岡県では、少なくと私は、県内ではこの神奈川県のような話は聞いたことがありませんが、静岡県でも高校の統廃合が各地で進んでいて、すでに統合された学校からはいろいろな問題点の話を聞きますから、決して他人事ではありません。まだこれから統廃合の計画が進む学校もあるなかで、地域による学校のバランスが悪くなる可能性もあるわけです。ただ、今のところ静岡県では、神奈川県ほどの話になることはないでしょう、と思います(断言はできませんが)。

話が戻りますが、私が今週の『週刊金曜日』の表紙を見て、雨宮処凛の文字もあったことから、「高校無償化」とは言え、まだまだ厳しい環境にあるんだと言う話だと思ったのですが、それというのも、ご存知のように「授業料」が無償化になっただけで、修学旅行の積み立てとか学年費やPTA会費とかの、いわゆる諸会費の集金はあります。「授業料」がなくなったとはいえ、授業料以外で集金されるお金は結構あります。それらのお金は、現在では銀行からの引き落としが多いのですが、引き落としができない例が、私の勤務校でもまだ数件あるのです。すべての事例が経済的な問題だとは限りませんが、この手の話は他にもあると思います。このこと、どこか調べてくれるところないですかねぇ。

またここ最近増えてきた、小中学生の親向けの教育雑誌の話も出ていますが、これらの雑誌も、子を持つ親としては、思わず手にとってしまいそうなタイトルで、実際読んでみれば、なんてことはない内容なのですが、私も時折気になって、つい、立ち読みしちゃいます(笑)。

もう一つは、「親学」の話題。しばらく前から時々話題になりますが、なんと言っても(財)親学推進協会の理事長は、「新しい歴史教科書をつくる会」の副会長だった、あの高橋史朗明星大学教授ですから、その中身は言わずと知れた内容なわけです。
ですが、先にも触れたように小中学校の親向けに教育雑誌が増えてきているように、何か拠り所が欲しい親御さんにとっては、なんとなくそれっぽい響きがあり、「親になるための学び」とうたわれている「親学」は、一部では受けているのかもしれません。
しかし、「週刊金曜日」の記事にあるように、「親学」は明らかに偏っています。よくよく内容を確認すれば、明らかにおかしいとわかるはずです。子どもが小学生になったことによる、親としてのプレッシャーのために、急に教育熱心になった世間一般に多いタイプの、ウチの妻ですら、その矛盾には気がつきましたから、冷静に見れば誰でもわかるはずです。
ただ、子どもが小学校から持ち帰るお知らせの中に、「親学」の文字を目にすることがありますから、行政とうまく結んで、少しずつ進んでいるようです。これは危険だと思います。ある程度まではやむを得ないですが、一定以上大きくならないように、監視し続けていく必要があると思います。

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