2011年9月17日土曜日

八重山教科書問題

昨日(9月16日)の朝日新聞の社説で、この問題が取り上げられています(詳細はこちら)。

どうして、育鵬社版を選ぶという判断がありうるのか、個人的にかなり疑問を感じます。それも、沖縄県ですから。

私としては、竹富町の姿勢が基本的には正しいと思います。また竹富町が不採用にしたことで、「3市町の全教育委員による協議での多数決で、委員たちは育鵬社版を撤回し、東京書籍版にすると決定した」というのも、確かに文科省の言うとおり、手続き的に不備はあると思いますが、最終的には正しい判断だったと思います。

ただ、文科省が「「つくる会」系の育鵬社版を事実上推す通知を15日に出した」という報道が、今日の朝日新聞に出でいて(詳細はこちら)、これは一体どういうことなんだと思うのです。統一しろというところまではわかりますが、それが何故育鵬社版への統一なのでしょうか?

社説の方に、「教員が務める調査員の育鵬社版への評価は高くなかった」とあるように、おそらく現場の教員からすれば、育鵬社版は採用には値しないものだと判断されているはずなのですが、何故文科省はそれを進めるのか、これはかなり問題だと思います。

4 件のコメント:

  1. 尖閣諸島の記述がしっかりしているから育鵬社にして当然です。また、自衛隊、日米安保に関する記述が最もしっかりしています。他国に領有を主張されている石垣島ならこの選択は当然だと思います。

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  2. あぁ、なるほど。そういう点で、育鵬社版が意識されるわけですね。確かに、国の見解として必要とされる内容がありますから、そういう選択もありうるのですね。
    私としては、現場の教員の評価が高くないという事実をどう考えるのか、という観点は大切だと思うのですが。
    実際に現場の先生方が、育鵬社版でなければ、そういう問題について教えられないということならば仕方がないですが、そういうわけでもないでしょうし。
    ただ、勉強になりました。コメント、ありがとうございました。

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  3. >それが何故育鵬社版への統一なのでしょうか?

    朝日新聞の社説に『八重山採択地区協議会は8月、「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社版を選び、各教育委員会に答申した。』とあるように、採択権限をもつのは八重山採択地区協議会で、その答申が法的に有効だからです。
    「手続き的に不備はある」から、東京書籍では無いのです。

    文科省は、教科書検定によって、既に内容の審査を済ませています。だから、今の採択の段階になって、改めて記載内容を理由にどちらかの教科書を推すという事はしません。今、文科省が考慮するのは「法に則った手続きかどうか」だけです。

    >おそらく現場の教員からすれば、育鵬社版は採用には値しないものだと判断されているはずなのですが

    文科省の平成2年3月20日の通知で
    『教職員の投票によって採択教科書が決定される等採択権者の責任が不明確になることのないよう,採択手続の適正化を図ることも重要である。』
    とあります(殆どの教育委員会に無視されていますが…)。

    現場の意見は絶対的なものではありません。現場の意見には、現行と同じ教科書を選ぶ(変更による再度の教科書分析の忌避)、特定の政治思想へ偏る(日教組とか)といった傾向が見られるそうです。

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  4. 文科省としては、現段階においては「法的に有効か否か」という点がポイントなんですね。確かにおっしゃるとおりですね。納得しました。

    実際に現場の意見がほとんど反映されないのも、今までのあまり良くない流れから考えると仕方が無いと思わざるを得ないのは、ちょっと寂しいですが、一部の現場の教員の中には、真剣に考えている人間が居ることも理解してもらえるとありがたいですね。

    コメントありがとうございました。勉強になりました。

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