2010年12月18日土曜日

高校生の就職内定率について

BLOGOS12月16日に、シロクマ氏の高校生の就職内定率について耳にすること」という記事が出ていました(元ネタは「 シロクマの屑籠(汎適所属)」の同名第タイトルの記事です)。

この記事の中にも書いてありましたが、日本高等学校教職員組合によれば、2010年10月の時点での就職内定率は61.5%(男子66.9%、女子52.8%)と言うことで(データの出所はこちら)、2009年度に比べて、1.9ポイント上昇(男子は1.2ポイント、女子は2.3ポイント上昇)したとはいえ、2008年度に比べると、13.1ポイントの下落ということです。
シロクマ氏が耳にする限り、高校によって内定率にばらつきが大きいが、これは何故なのかと述べていらっしゃいますが、「実業系か否かや、いわゆる高校偏差値とも関連するのかもしれない。 」というシロクマ氏の考えは、正解に近いと思います。

私の勤務校は普通科の高校なのですが、いわゆる職業高校の方が求人も多く、当然内定率も高いのは事実です。普通科の高校では、偏差値の高い高校は就職する生徒はほとんどいませんが、低くなると就職を希望する生徒が増えてきます。
ただ、高校周辺の企業の認識として、普通科の高校は大学、短大、専門学校などに進学するものだと思われている方々が多いようです。
就職という点で、高校の名前が売れていないために、求人はあまり多くないですし、企業訪問をすると、「就職希望がいるんですね?」と言われる始末です。
それに比べれば、職業高校は一般的に高校を卒業すれば就職をするのが普通ですし、過去の実績もあるので、企業側も求人を出すわけです。 ただ、最近は職業高校でも進学する生徒が多くなっています。

そのような状態でも、昨年は職業高校でもかなり苦戦したようですし、私の勤務校などは、なかなか決まらない生徒が複数いたので、大変苦労しました。今年は、まだ近隣校の話は耳にしていませんが、勤務校では就職希望者の60パーセントほどしか現時点では決まっておらず(数字的には、日本高等学校教職員組合の発表した内定率の数字に近いですが)、まだ内定していない生徒が行けそうな企業を探すのが大変困難な状況になっています(それでも、昨年の実績から、今年は就職が厳しいのは十分予想できましたので、生徒には「就職をしたいなら、進学する生徒よりもしっかり勉強しないとだめだぞ。」と脅したため(笑)、当初希望していた生徒が進学に変えたというのが多かったです。まぁ、進学したからといって、その先で就職に苦労する可能性が、まだ高いですが)。

大学生に比べて、高校生の就職の厳しさは、あまり多く報道されていませんが、 大学生の就職が厳しいんですから、高校生だって同じようなものです。 あるいはむしろ大学生よりも厳しいかもしれません。高卒でもだめで、大卒でもだめだとすると、一体どうすれば良いのか、高校教員にとって、悩みどころです。

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