2010年12月31日金曜日

デジタル教科書について考える

今日12月31日の日経新聞WEB版に、「デジタル教科書、1人1台、授業風景を一変」という記事が出ています。

2015年までに全ての小中学生にデジタル端末を持たせて、デジタル教科書を実現しようとの構想で、記事には北海道の小学校での実験についての記事がありますが、実験で使っているパソコンは、タッチパネルや無線LANを備えていて、モニターはタブレット端末のように入力できるそうで、教科書とノートの両方の役割を果たしているんだそうです。

これだけ見ていると、こういう端末は便利だと思いますし、私としては欲しいものだったりします。教員も同じような端末を持つことになるわけですから、黒板も電子黒板で、入力データを黒板や生徒の端末に表示できて、これはかなり使い勝手があると思います(私などは字がヘタで、いつも生徒に文句を言われるので、電子黒板はいいですねぇ)。
まぁ、なんでも使いようなのですが、いろいろと可能性があって、おもしろいのではないかと思います。

ただやはり現場にとっては、慎重にならざるを得ないでしょう。静岡県でも、校務用として使用するために、一人一台パソコンを目指して試験運用を行っていますが、いろいろ問題点があります。県教委としては、管理しやすい体制を作りたいわけですが、そうするといろいろと面倒な制約が出てきます。教員としては、管理されること自体を嫌うムードもありますが、システム上、県教委が一元管理するのはやむ得ないとしても、データの保存やインターネットの使用制限があり、かなり面倒なのです。個人情報保護という点で仕方がないのもわかりますが、がんじがらめ過ぎて使いにくいものでは、校務の効率化とは逆になってしまう部分があるのです。

それ以外にも、教員でも意外とパソコンを使いこなせる人って、それほど多くないので、慣れるまでが大変でしょう。今までの状態に慣れている人間にとって、全く新しい状況はなかなか受け入れるのが難しいのは、どこの世界でも同じことです。

また小中学生がデジタル教科書になると、高校はどうするんでしょうか。高校からいきなり紙の教科書になると、今度は生徒の側が慣れていなくて、いろいろ問題が起こると思います。高校もデジタルにしたほうがいいでしょうね。
個人的にはおもしろそうなので使ってみたいです。ちょっと考えてみても、いろいろな教材が思い浮かびます。

他にも制度的な問題がいろいろあるわけですが、そのへんはどうにかなるでしょう。やはり問題は使う人間の問題だということになるでしょう。

明日から2011年ですから、2015年まではあまり時間がありません。本当に導入する気ならば、もっといろいろ試行して見ないと、2015年に実施するのは難しいのではないでしょうか。

なおデジタル教科書について、BLOGOSにも中村伊知哉氏が「デジタル教科書、普及の課題」と題してエントリーされています。こちらは大学の先生のエントリー記事なので、学問的な観点からの問題点について書かれていますので、こちらもぜひお読みください。

あと数時間で2010年も終わろうとしています。10月から始めたこのブログ、わずか3ヵ月ですが、ページビュー履歴が1000を超えています。全く誰にも知らせずに始めた匿名ブログなので、想像以上に多くの方が来てくださっていることに驚いています。訪問してくださった方に感謝します。
 ブログを書くようになったことで、自分の考えを多少なりともまとめることができ、とても良かったと思っています。

「継続は力なり」という言葉もあるように、2011年もしっかり勉強して、いろいろなことを考えて、このブログを書いていきたいと思います。

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