謝名親方利山、林成功、伊波普猷の三人による対談という形式ですが、のっけから謝名親方利山の言葉は確信を付いていると思います。
「沖縄はこの精神を手放してはならない。ここに沖縄の生きる道が示されている」と、のっけから核心にふれたのは謝名利山。彼が取り上げたのは「平和の礎(いしじ)」と「沖縄平和賞」と「世界のウチナーンチュ大会」の三つだった。
「この三つに共通するのは、いずれも国境を超えた、一国の利害にとらわれないトランス・ナショナルな試みだということ。経済や文化の国境を超えたつながりは深まるばかりであり、安全保障を軍事力や地政学だけで考えるのはもはや時代遅れだ」
「平和の礎」には国籍に関係なく戦没者の名前が刻まれている。平和賞は、世界の紛争地域や貧困地域などで医療や保健支援活動などに従事し、「人間の安全保障」を実践してきた団体が受賞している。
10月に開かれる「第5回世界のウチナーンチュ大会」には世界各地から県系人が集い、交流を深める。
この三つの事業にはもう一つ共通点がある。他人を思いやり、共に支え合って生きることを大切にする―その精神が脈打っている点だ。
2010年には「沖縄問題」だけではなく、尖閣諸島や北方領土などをめぐる様々な問題が起こったからこそ、2011年は謝名親方利山の指摘するところが大切になってくると思います。
そしてもうひとつは、BLOGOSで池田信夫氏が指摘していることですが、
「福沢諭吉から丸山眞男に至る日本の知識人は「個の自立」を課題としましたが、それを置き去りにしたまま日本は成長を続けてきました。かつて経済が成長して いた時代には、政府や会社にプールされた富をみんなで分け合えばよかったのです。しかし労働人口の減る社会でそれを続けると、現役世代から巨額の富を老人 に移転する結果になります。自分の食い扶持は自分で稼ぐという、近代社会の原則に立ち返るしかない。」
2010年にマイケル・サンデルが注目され、ロールズの新訳が出されたのは、2011年はそれらをしっかりと受け止め、問題を考える年なのではないかと思われるわけです。
つまり2011年の今年は、2010年をベースにさらに様々な問題をより深く本質を追求して考え、解決に導いていくことを目指す年にしなければならないと思います。
私自身もこのことを意識しながら、いろいろと勉強していかなければならないと思っています。今年もよろしくお願いします。
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