帯に、「『21世紀の歴史』の序曲 グローバリズムは、ここから始まった」とありますが、本書のタイトル『1492』は、ご存知のようにコロンブスがアメリカ大陸を「発見」した年で、この年を境に、帯にあるような状態になったのだと言うわけです。
著者のジャック・アタリは、「ヨーロッパ復興開発銀行」初代総裁にして経済学者・思想家・作家であり、“ヨーロッパ最高の知性”と称される人物で、最近では『21世紀の歴史―未来の人類から見た世界』や『金融危機後の世界』が注目されました。
『1492』も1994年に朝日出版社から単行本として刊行されていましたが、2009年にちくま学芸文庫に入り、私はその時に何かでそれを知って、単行本は読んでいなかったのですが、その時大変話題になっていたのを知っていたので、 文庫になったのを機に購入したわけです。
本書はそもそも1992年の「コロンブス500年祭」に合わせて書かれたものですが、1991年のソ連崩壊によりアメリカ一極支配が確立し、アメリカが「西欧文明の世界支配」500年の継承者であることが2001年「9・11」により顕在化されたという、まさにその時に出版されたのは、ジャック・アタリによる、フランスらしい緻密な検証のなせる技なのかも知れません。
固有名詞がとても多く、その一つ一つを理解しながら読むのは、日本人には難しいと思います。正直言って、固有名詞は無視して読むのが賢明だと思います。それでも本書から得られるものは多いです。またここまでやるかと思うほどの緻密さは、読んでいて圧倒されます。
始めに、このタイミングでの紹介にはあまり脈絡がないと言いましたが、ただ2010~2011年のここで本書を読んでみることは、これからの世界を考えるうえで、案外大切かもしれないと思います。ただ文庫とは言え、気軽に読める本ではありませんので、気になった方は覚悟して読んでください(笑)。
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