2011年1月20日木曜日

『週刊金曜日』2011年1月14日 830号

特集は、「ウェブ時代のメディアリテラシー」です。

これは、とってもタイムリーです。先日のチュニジアの「ジャスミン革命」がまさにそれですからね。
また8日にアメリカ西部アリゾナ州トゥーソンで起きた銃乱射事件での誤報も同じです。

つまり、THINKING「O」8号で話題になっていた「ミメーシス」(これについてのエントリーはこちら)なわけです。

だからこそ、「ウェブ時代のメディアリテラシー」は大変重要ですが、同時に大変難しいわけです。

西垣一通氏が指摘しているように、検索リストで上位に来るものが必ずしも重要なものとは限りませんし、それが正しいとも限りません。しかし、我々はどうしてもそのようなものに興味がわきますから、さらに閲覧が増えて、検索の上位であり続けるわけです。 またそれを見た人は、上位にある情報が世の中の大半の意見であると勘違いします。人によっては、それを鵜呑みにするかも知れません。結果、「強者の発言力がますます強まる」ということになるのです。

三橋順子氏と日隅一雄氏の対談の中で、日隅氏は「日本の討論番組に欠けているのは、こうやって二人で一つのテーマを深く話さないことです。何人もが細切れに発言していく。そうするときちんと考えることができない。」と発言しています。これはツイッターと同じなわけで、三橋氏も「ツイッターはつぶやくもので議論するものじゃない。でも、結構議論している人もいるんですよ。どう考えても一四◯文字で議論が深まるとは思えない。」 と述べています。確かに、わずか140文字です。短いやりとりでは議論が深まるどころか、むしろ流されて行ってしまいます。薄っぺらい議論だけが、だらだらと続くことになるわけです。

このような中で、今一番必要なメディアリテラシーとは何か言えば、白石草氏が述べているこの言葉でしょう。
自分たちで社会を変えていけるという当事者意識を持ち、自分で考え自分の言葉で身近な問題をきちんと誰かに伝えるという言論の原点を確保することではないでしょうか。

この他の記事でおもしろかったのは、北原みのり氏が「トイレの神様」に触れている記事です。基本的な意見は、私も北原氏と同じです。何故、このような歌がこんなにヒットしたのか?「トイレを綺麗するといいことがあるよ」というのは昔から言われていることですし、どこかの学校ではトイレ掃除を率先してやることで、教育効果が上がっているという話もあります(トイレ掃除運動(?)を推進している団体もあるようです)。お寺でもトイレ掃除は大切な修行の一つとされています。

しかし、この歌が流行ったからと言って、トイレ掃除の洗剤が爆発的に売れるようになったとかは聞きませんし、トイレ掃除の道具が必須アイテムになっているわけでもありません(笑)

そりゃ、きれいなトイレは気持ちいいですし、私にとってはトイレは落ち着いて物を考えることができる大事な場所なので、ウチの女房がトイレ掃除を熱心にやるようになったことは良いことですが(笑)

日本国民は、この歌に一体何を求めているんでしょうか?
私としては、東京八王子の「萌え寺」、了法寺の、お釈迦様の生涯を朗読した「とろ美」の新曲、「がうたま・れじぇんず」の方が「アジア的カオスの力」を感じることができて、「日本再生」の原動力になるのではないかと思ったりします(「がうたま・れじゃんず」って一体どんなのなんでしょう?笑)。

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