2011年5月22日日曜日

原発に関しての欧州の動き

今日5月22日、、欧州の原発への対応に関して、朝日新聞と中日新聞の社説で取り上げられています。

朝日の社説は、北欧の自然エネルギー社会への移行の試みについてです。「化石燃料の輸入を減らした分を新時代へのエネルギー投資に回すことで国内に産業と雇用を生みだす」北欧の動きは日本でも大いに参考になると思います。
なかでも「エネルギーの大量消費時代の終焉(しゅうえん)をにらんだ動き」のスウェーデンが興味深いですね。「海水を使った地域冷暖房システム」や「自宅下に掘った地中熱を暖房に利用する住宅」などは、日本でも可能なのではないでしょうか。


中日の社説は、ドイツの動きについてです。
被災国である日本を上回るかのような強い危機感を示したドイツは、「戦争の惨禍を繰り返すまい、と戦後一貫して負の歴史を語り継いできた」国です。社説にあるように、「次元こそ違いますが、「3・11」を機に将来起こり得る惨禍に想(おも)いを致し、一際(ひときわ)危機意識を募らせているとしても不思議では」ないですが、日本もドイツと同じ時期にアジア・太平洋戦争を経験したにもかかわらず、その後歴史を語り継いできたとは言いがたい国ですから、今回の原発のことに関してもその差に大きな違いがあるのも、ある意味納得なのですが、歴史を学ぶ者として、ここで再びドイツに差を開けられてしまうのかという危機感を感じます。
ドイツの危機感は、国際社会、何より、被災国日本の危機感の行方を問うています。」とする社説の主張は、今回こそドイツに差を開けられてはいけないということを言いたいのではないかと受け止めています。


東京電力福島第1原発と、中部電力浜岡原発のいずれの設計にも携わった技術者である、沼津工業高専の渡辺敦雄特任教授が、「正しい情報を知り、正しく恐れ、行動すべきだ」との考え方に変わったということを紹介している記事が中日新聞に出ています。
渡辺敦雄特任教授は「かつて制御できると信じた「魔法の火」を「怖いものは止めた方がいい」。脱原発の立場から唱えている。」そうです。
直接原発に関わった技術者たちはいちおうに同じような発言をされているにもかかわらず、政府や世論の原発支持派が相変わらず多いのか、何故原発に関わったことのない人々が、原発に直接関わっていた人々の声を軽視しているのかはなはだ疑問ですが、ここはやはり渡辺敦雄特任教授がいうように「怖いものは止めた方がいい」のではないでしょうか。そして脱原発を目指している欧州の国々を追従する立場になるべきだと私は思います。

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