2011年2月12日土曜日

『環』Vol.43 2010年秋

もう、最新刊のVOL.44が出ていますので、今頃って感じですが・・・・・(ちなみに最新刊の特集は「中国の民主化と劉暁波」です)
VOL.43の特集は、「「沖縄問題」とは何か」です。非常に膨大な情報量なので、読むのにかなり時間がかかりますが、読む価値は大です。

●【特 集】 「沖縄問題」 とは何か

■ 「琉球処分」 から考える

いまだに続く 「琉球処分」 【同化と異化のはざま】  大城立裕
「琉球処分」 という負の遺産  西里喜行
沖縄独立 【地域主権革命の延長線上で】   平  恒次

 

■ 沖縄米軍基地と日米安保

「私たちに近づくな」 【政権交代後の外交立て直しの挫折】  川満信一
本土メディアの歪んだ報道 【普天間問題とは何か】  屋良朝博
「新・沖縄密約」 を情報公開せよ 【普天間は「移設」ではなく「閉鎖」を】  真喜志好一
普天間・辺野古は安保に必須ではない 【「抑止力」を支えるのは嘉手納】  佐藤  学
近代日本と沖縄の 「位置」  櫻田  淳
「現実主義」 からみた沖縄問題  中本義彦
約40年、 何も変わっていない  三木  健
沖縄県民は生け贄?  上原成信
日米の軍事基地はヤマトへ   照屋みどり
沖縄問題は日琉米中問題である 【植民地主義パワーバランスか平等互恵体制か】   武者小路公秀 

 

■ 沖縄の独立と自治

沖縄は日本の植民地である 【沖縄問題の根源とその解決】  松島泰勝

チヤースガ、 ウチナー (どうする沖縄)!【政治だけではない沖縄問題】  金城  実
沖縄は日本ではない  島袋マカト陽子 
琉球問題へ  高良  勉

「琉球自治共和国連邦独立宣言」 をなぜ発したか  石垣金星
「琉球政府」 という歴史的経験 【沖縄の自治と未来】  増田寛也

今に生きる復帰前の民衆自治の成果 【「屋良覚書」と下地島空港】   下地和宏
琉球の平和思想と龍宮神ジュゴン 【私の謎解きの旅】  海勢頭豊


■ 「境界」 としての沖縄

境界研究からみた 「沖縄」 【「歴史的日本」の虚像を越えて】  岩下明裕 
沖縄とパレスチナから考える 「占領」 と 「独立」  早尾貴紀

それは日本問題である 【日本兵の遺骨が訴えるもの】   後田多敦
沖縄に向き合う 【徳之島案反対から生まれた連帯】  久岡  学 
徳之島移設案と 「琉球処分」 【奄美から沖縄米軍基地を考える】  前利  潔

奄美から見た民族自決問題 【奄美・沖縄・琉球】  新元博文 
「辺境」 をつくり出すのは誰か?   西川  潤
「沖縄問題」 は 「南北問題」  勝俣  誠 

● 【小特集】
◎昨年急逝した演出家・竹内敏晴。その 〝からだ〟 の稀有な来歴にふれた人々が語る。
竹内敏晴さんと私  名著 『ことばが劈かれるとき』 を遺した演出家・竹内敏晴とは何者か。
竹内敏晴 箴言集
伊藤伸二 稲垣正浩 岩川直樹 大城立裕 岡嶋正恵 加藤博史 木田元 栗原彬 鴻上尚史
今野哲男 申谷雄二 芹沢俊介 徳永進 中嶋廣 西堂行人 藤本由香里 松井洋子
三井悦子 三砂ちづる 見田宗介 光元和憲 明定義人 吉岡友治 米沢唯


◎詩人・作家の森崎和江が、 その彷徨の半生において抱えつづけるものとは何か。
いま、 なぜ森崎和江か
森崎和江  今もなお心にかかる二つのこと
姜尚中+森崎和江  異郷と故郷のはざまで
水溜真由美  「筑豊」 を問い直す 【大正闘争後の森崎和江】


◎二度とはかなわない、 奇跡の邂逅。
〈対談〉 詩とはなにか
【二人の詩人をつなぐもの】  互いの詩と格闘し生まれる対話
金時鐘 (詩人) / 吉増剛造 (詩人)


◎北と南からの提言
〈鼎談〉 琉球とアイヌをつなぐ
独自の歴史と文化を持ちながら、 土地と文化を奪われてきた両者の対話から見える希望とは?
海勢頭豊  (シンガーソングライター・作曲家)
結城幸司  (版画家・ミュージシャン)
松島泰勝  ( 「ゆいまーる琉球の自治」 代表)

● 寄 稿

今、 なぜ丸山眞男を批判するか 【戦後民主主義批判】
北沢方邦
松岡利道さんを偲ぶ
太田仁樹 / 正木八郎
青木やよひさんを偲ぶ
井上輝子 / 江原由美子 / 大橋由香子 / 倉橋玲子 / 藤本一子

● 連 載

■ 新連載 儒教の経典の筆頭であり、 古代中国の哲学と宇宙観の集大成 『易経』 を読む。


易とはなにか 1 【知られているようで、 知られていない易】  黒岩重人


■ 金子兜太の句 無言館にて / 石牟礼道子の句 ねむれる貝


■ 天に在り ――小説・横井小楠 3 「実学党の章」  小島英記
■ 竹山道雄と昭和の時代 4 「西欧遍歴」  平川祐弘
■ 近代日本のアジア外交の軌跡 11 「辛亥革命への外交的対応」  小倉和夫
■ 水の都市論――大阪からの思考 12 (最終回) 「水 景」  橋爪紳也
■ 伝承学素描 19 「ユーラシア東辺島嶼文明の構図」  能澤壽彦

● 〈書物の時空〉

■ 名著探訪
 『洛中書問』 (大山定一・吉川幸次郎著)  一海知義
 『とこしへの川』 (竹山広著)  佐佐木幸綱
 『スペイン革命全歴史』 『スペイン内戦』 (R・ボロテン著)  速水  融
 『大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清』 (松元崇著)  塩川正十郎


■ 書 評
 『 「歴史」 の体制』 (F・アルトーグ著) 【メタヒストリー的思考の現在】  鹿島  徹
 『趙紫陽 極秘回想録』 (趙紫陽ほか著) 【趙紫陽の 「政治的遺言」 】  及川淳子


■ 連 載 明治メディア史散策  6 「時代区分について」  粕谷一希
■ 本をめぐる対話  6 「雑誌の創造力」  森まゆみ+粕谷一希

特集の中でも、〈鼎談〉 琉球とアイヌをつなぐ」はかなり重要だと思います。日本の北と南に位置するこの二つの存在は、ともに日本の国内植民地であるワケですが、その現状はかなり違います。しかし、この二つを考える時、我々は世界的な物の見方を必要とすることに気付かされると思います。世界各地で起きている民族問題は、決して他人ごとなのではなく、まさにここにもあるのだということです。「沖縄問題」を考えることが、同時に世界を考えることなのだということなのです。そして、「沖縄問題」を考えることは、世界の未来を考えることなのだということなのです。つまり、この問題解決を一部の関係者だけの手に委ねてしまってはいけないということなのです。もっと、いろいろな人間が関わっていかないといけない、大切な問題なんだということを、声を大にしていいたいです。
2011年に入って、菅政権の新閣僚が何人か沖縄に行き、仲井真県知事と会談しましたが、そのあとはあまり情報がありませんが、注意深く見守る必要があります。チュニジアやエジプト同様、強行な政治は、今日の社会においては、絶対に許されるべきものではないことは明確ですからね。

もうひとつ、小特集で演出家の竹内敏晴さんが取り上げられています。
自分が高校の時に演劇部で、現在も職場で演劇部の顧問をしていますので、演劇にはつかず離れずで関わっていますから、この小特集はなかなかおもしろかったです。
私は、学校教育にもっと演劇を取り入れると良いと思っていますし、教員養成でも演劇教育を行うべきだと思っています。ヨーロッパなどでは結構演劇が学校で取り入れられていますので、日本の教育も見習う必要があるのではないかと思います。演劇は総合芸術ですから様々な要素で構成されていますので、いろいろなアプローチの仕方ができます。子どもが多様化している現在こそ、いろいろな子どもの、何かに引っかかる要素が、演劇のどこかにあるのではないかと思います。一つの舞台をつくるには、その舞台に関わる全ての人間の協力が必要ですから、舞台を仕上げていく過程で、様々な教育の場面を想定できますし、最終的に舞台を作り上げる達成感が子ども達に自信を与えるのではないかと思います。この小特集を読みながら、そんなことを考えました。



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