毎日新聞社説に、第56回青少年読書感想文全国コンクールの話題が出ています。
「毎日新聞が全国学校図書館協議会の協力でまとめた昨年の学校読書調査によると、1カ月間に小学生が読んだ本が10.0冊、中学生が4.2冊、高校生は1.9冊だった。いずれも前年比で増え、中学生は過去最高、小学生も2位の記録だ。 」ということなんですが、高校になるとガクッと下がるのは、どうしてなんでしょう?
私の勤務校でも、「朝読書」を行っていますが、生徒は宿題やっていたり、ボーっとしていたり、読んでいる子は読んでいるんですが、本当に特定の生徒だけという感じです。図書室への訪問回数も、特定の生徒がものすごく多いですが、ほとんどの生徒はあまり行かないという感じのようです。
「昨年、読解力をみる経済協力開発機構(OECD)の国際学力テスト(PISA)で日本の成績が上昇傾向を見せた。これも、読書好きの子供が増えたことが背景の一つに挙げられた。
だが、課題も多い。OECD平均と比べると読書に消極的な傾向がまだ見られる。今回PISAでトップになった中国・上海では毎日31分以上読書するのが56.1%で、日本の30.4%とは大きな開きがある。
学校の読書も、子供たちに差異があり、中には興味を持てずページをめくるだけの子もいるという指摘がある。」
このような状況で、活字離れが改善しているとか、読書好きの子どもが増えたとか、PISAが良かったのはそのおかげだとかは言えないと思うのですが。
「11年度から本格実施となる新学習指導要領は、すべての教科で言語活動を重視している。読み、心を動かされ、整理して自分の考えをまとめ、表現する読書は、そうした学習の土台になる。そこに伸びる芽を着実に育てたい。」
最近の若者は、複雑な思考を嫌います。小学生から考える力を付けていくことはとても重要です。小学校、中学校からの積み重ねがないと、高校からいきなりというのは無理ですから。
11年度からの新指導要領の実施の成果が、どの程度出てくるのか楽しみです。
しかし、高校での読書の減少は、なんとかしないといけませんね。中学校までは読むのに、何で読まなくなってしまうんでしょうか? どこかで調査してくれないかな。
あのですねえ。
返信削除まず、この全国学校読書調査は80年代から毎日と図書館協会が共同でやっているものです。
ご心配の種となっている高校生の読書ですが、80年代から高校生の不読率は5割前後であり元々高かったのです。
それが90年代に入り常時5割を超えるようになり、2000年頃には7割近くなりました。
中学生に関しても80年代は40%台だった不読率が90年代に入ると5割を超え、一時は6割近くにまで迫りました。小学生の不読率は一貫して低いですが、波は中高と連動しております。
そこで、これではいけないと2000年代初頭から読書運動に力を入れ始め、その甲斐あってか小中高の不読率は調査開始以来最も低いものとなりました。また、平均読書冊数も調査開始以来最高の数値に達しています。
前年比どころか懸念の読書離れを脱して、従来にも増して本を読む子を増やしているのです。
これを改善と言わずして何と言いましょうや?
この程度は少し文献を読めばわかることなのですが…。
失礼ながら、最近はこの程度のリテラシーや調査能力もないお方が高校教師を務めているのですか?
仮にも生徒の指導に当たる学校教育者がこれでは…。教職一家に産まれた人間としては悲しいものです。
私の祖父とは言わないまでも、父親が現役だった頃はもう少し優秀な方が多かったと記憶しているのですが。
普段興味深く記事を拝読させていただいているので、この記事は少し残念な思いがいたしました。
失礼、学校読書調査そのものは遥か以前から行っております。
返信削除他の読書世論調査と混同しておりました。
図書館協議会のサイトに行けば直近のデータはご覧になれるはずです。
どういう教育を子供に施していくべきか、しっかりと事実を見据えて選定しなければ何度でも失敗を繰り返すのでしょうな。
無礼な発言もございますが、どうかお許しください。
コメントが反映されなかったので、もう一度編集して投稿させていただきます。重複していた場合はご容赦くださいませ。
返信削除この読書調査は50~60年代から毎日新聞と図書館協議会が合同で行っているものです。
ご心配の種である高校生の読書ですが、高校生の不読率は80年代に既に5割前後を推移しています。平均読書冊数を見ても、もともと高校生は大して読書をしておりません。この頃の若者が読む雑誌と言えば漫画雑誌かファッション誌でしたから質も推して知るべしでしょう。
それが90年代に入ると常時5割を超え、90年代後半には7割近くに達しました。中学生の不読率、小学生の不読率も同じような推移を辿っています。故に、この90年代後半から2000年にかけての期間に読書離れが指摘されたのです。
当然これではいけないと読書運動を推進した結果、最新の調査では高校生の不読率44%、中学生13%、小学生6%と大幅に改善されました。平均読書冊数も小中高の全期間で完全に改善されています。
読書離れを脱し、子供がよく本を読んでいたとされる時代を上回るか、匹敵するほどになっております。
これを改善と言わずしてなんと言いましょうや?
時期を考えると旧学習指導要領によって、或いは受験の易化により暇が出来たおかげで読書が盛んになったと言えるかもしれませんな。まあ、このあたりはなんとでも言えるでしょうが。
この程度は文献を少し読めば分かることです。
失礼ながら、この程度のリテラシーもない方が教育に携わっているかと思うと…。
最近は高校教師でさえこのレベルなのでしょうか?
教師一家に産まれたものとしては、悲しいものです。
私の祖父とは言わないまでも、父親の時代でももう少し研究熱心で優秀な方が多かったと記憶しているのですが…。
教育こそしっかり事実を踏まえ、政策を決定していかなければ何度となく失敗を繰り返すのでしょうね。
先生方には適切な指導をお願いしたいものです。
匿名さん、コメントありがとうございます。
返信削除おっしゃることはよくわかりました。このエントリーは、新聞記事を読んで思ったことをそのまま書いただけで、他の文献を参照した上での発言ではありませんから、データの推移に関しての把握が不十分であったと思います。ご教示いただき、ありがとうございました。
ただ、実際の高校での現場における実感として、あまり本を読んでいる生徒が多くないという感じを持っています。まぁ、勤務校がそれほど上位の学校ではないからなのだと思いますが。
おそらく、上位の学校の生徒はかなり読んでいて、私の勤務校などのあまり読まない生徒とのデータを平均すると、上位の生徒の読書量が多いので、全体的に良い結果になっているってことなのかなと思っていますが。この記事にもあったように、生徒間でかなり差異があるということなのでしょう。
わざわざご回答いただきありがとうございます。
返信削除不読率が低いということは大抵の生徒は本を読んでいるわけでして、中学生の半数、高校生の7割が本を読まなかった時期(ちょうど今30歳前後の方々でしょうか)に比べれば相当改善されているということなのでしょう。読書格差に関しては、これはいかんともし難いものであると思が、データを見るにこの格差はさほど大きなものではないと考えます。むしろ年代間の読書格差のほうがはるかに大きいので、出版業界はマーケティングに際して一考する価値があるでしょう。特に中高年に読書離れの兆しがあることは懸念の一つです。
ここ10年ほどの取り組みは不読の生徒を極力減らすことが最大の目標でしたから、読書教育に関してはひと段落したのではないかと感じています。平均読書冊数の上昇を見ても読書習慣の普及に成功したと考えています。
これはお上の実施した教育政策の数少ない成功例ではないでしょうか(苦笑)
これからは30~の中堅世代にどうやって本を買って読ませるかを考えたほうが良いかもしれません。彼らは所謂読書離れ世代ですし、仮に本を読もうと図書館で借りたり回し読みをされては出版業界は立ち行きませんので。実際、最近は図書館の利用者数がうなぎ登りに増えていますから…。
先生の益々のご活躍をお祈り申し上げます。