2012年1月16日月曜日

2012年大学入試センター試験 政治経済について

政治経済の問題は、大学入試センターのHPで見てください。

第1問は日本の地方自治の問題です。
問1は明治憲法と日本国憲法の比較ですが、教科書レベルですので分ると思います。現行憲法にはない、貴族院議員に関しての知識があるかどうかという点が確認されているわけです。

問2は現行の地方自治制度ですので、これも教科書レベルです。議会が不信任決議権を持っているのは、国政でも同じですね。

問3は現行の社会保障制度ですが、少し細かいですかね。難しいというわけではないのですが。
社会保障制度に関しては、内閣が改造されたので「税と社会保障制度の一体化改革」が進むと思われますので、細かい点まで理解しておかないといけません。

問4は高齢化率と社会保障給付費の対国内総生産比率で、A、B、Cがイギリス、ドイツ、日本のどれに当てはまるのかという問題です。
高齢化率が高くて社会保障給付費がそれに追いついていないのが日本の現状ですので、図中唯一高齢化比率が社会保障給付費を上回っているCが日本だというのは見当がつくでしょう。あとは、ドイツがスウェーデンに比較的近い状態であるということがわかっていればBがドイツだとわかると思います。

問5は高度経済成長期の出来事で適当でないものということですが、高度経済成長が円安で輸出がのびたというわけではないことは、受験生ならばわかっているはずです。

問6は地方分権改革の問題です。これも教科書レベルです。機関委任事務が何かまでわかっていて欲しいですね。

問7は国会が有する権限で、最近は憲法改正論者の発言があまり目立たないですが、大事なことなので知らないと困りますね。

問8は大臣制度の基本知識です。最近あったばかりの野田首相が総理大臣になった時のことを思い出せば簡単です。

問9は地方交付税についての基本知識です。地方交付税は何のためにあるのか、常識的なレベルでも判断できると思います。

問10は勤労権、生存権、団結権を実現するための具体的な施策を選ぶもので、これも教科書レベルです。

このように第1問は教科書レベルの、かなり基本的な問題ばかりですので、ここは落としたくないですね。

第2問は経済活動と芸術・スポーツ活動との関係という、少し変わったテーマですが、実はあまり解答には関係がありません。リード文を読んで身構えた受験生もいたかもしれませんが、解答は教科書レベルです。

問1はパッと見でわかりにくいかもしれません。
X国とY国のそれぞれの銀行と業者のやり取りだけの部分に注目すれば、銀行と企業の通常のやり取りの図になりますので、BとCが分ると思います。そうすれば答えは出ますね。

問2は地球温暖化防止に関して、炭素税について間違っているものを選ぶ問題です。選択肢をよく読めば、2番だけが明らかにおかしいのがわかりますね。

問3は問題文には企業とスポーツ活動と関係の話がありますが、解答は直接関係がないですね。単純に日本企業の歴史的特徴について選ぶものです。教科書レベルです。

問4はNPO法人に関する問題ですが、これも選択肢をよく読めば、2番だけが内容的に筋が通っているということがわかりますね。

問5は最近の労働のあり方に関してですが、教科書レベルですので、選択肢をきちんと読めば解答できますね。

問6はケインズの学説についてですが、ニューディール政策は学んでいるはずですので、わかると思います。

問7は誤っているものを選ぶ問題ですし、奴隷制くらいはわかると思いますので、答えは簡単に見つけられると思います。

第3問は国際経済の動きと日本経済をテーマにしています。かなり現代的な話が多いので、新聞やテレビでニュースをチェックしていた受験生にとっては、それほど難しくないでしょう。

問1は1ユーロ=131円の時の2億ユーロが日本円なら262億円、111円になると222億円だという計算をすれば簡単です。

問2は経済統合に関してですが、「関税同盟」についての知識があれば、それほど難しくないと思います。

問3は日本の国際収支表ですが、表を落ち着いて見れば答えは簡単に見つけられたはずです。

問4はバブル経済に関する知識が正しく理解できているかどうかですが、プラザ合意によるドル安誘導への各国の協調政策が事の発端ですので、円高になる可能性があったときに高金利政策というのは変ですよね。

問5は日本の国債に関してですが、図をしっかり読めば簡単です。

問6で金融機関の中でも、受験生にとって証券会社はなじみが薄いかもしれません。

問7は難しいかもしれません。ヨーロッパの消費税は日本に比べて高いということは知っていると思いますので、BかDかまでは絞れると思いますが、その先が悩むでしょうね。あとは近年税収が落ちているという知識あたりのことから解答できるでしょうか。

第4問はリード文は自由と平等に関してですが、問題は全く関係なく解答できますし、教科書レベルです。

問1は文章的におかしくないかどうかという点で解答できますので、日本語の問題ですね。

問2は社会契約説の知識です。これも基本中の基本ですし、選択肢の中で文章的に筋が通っているのは4番だけですね。

問3は精神的自由の保障という点で、教科書に必ず出てくる「愛媛玉串訴訟」ですから、簡単ですね。

問4は少し悩むかもしれませんね。特にAがわかりにくいかもしれませんが、Bはわかるでしょうし、Cもよく考えれば分かると思います。

問5はマイノリティの問題ですが、3番、4番は納得できると思いますし、アイヌ民族の問題は比較的最近でも話題になっていますのでわかるとおもいますから、解答できますね。

問6は各国の立法府と行政府の問題ですが、基本的な部分ですので分ると思います。

問7は司法府ですが、これも教科書レベルの問題です。

第5問は国際社会がテーマです。政治、経済両方の問題が出題されていますが、基本的事項がほとんどです。時事的な問題も出ていますが、難しくないと思います。

問1は選択肢のなかで、引っかかる部分があるとすれば2番だけです。

問2も同じように、選択肢のなかでアレっ?と思うのは1番ですね。

問3は発展途上国に関してですが、選択肢のなかで筋の通るのは3番だけですね。

問4は地域協力の問題ですが、ARF(ASEAN地域フォーラム)はニュースなどで頻繁に耳にしますし、日本にとっては大切な関係です。

問5は第二次世界大戦以降という問題文に対して、つい最近のオバマ大統領の話題が入ってきています。

問6は各国の選挙制度に関してですが教科書レベルですし、共産党政権下で直接選挙があるのかどうかは、常識的にわかると思います。

問7は最近の話題ばかりですので、大丈夫でしょう。

結局、今年は政治と経済のバランスが比較的良い状態で出題されていますし、基本的事項を問う問題が多く教科書レベルで、多少細かいことを聞かれているものもありますが、全体的には難しくなかったと思います。
ただし、新方式によるトラブルが全国で相次いだので、そこが問題だったでしょうね。

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