2011年9月18日日曜日

明応東海地震での36メートルの津波について

一昨日(9月16日)から開催されていた「第 28 回歴史地震研究会」で、東大地震研の都司嘉宣准教授らによって、「室町時代の1498年に発生した大地震「明応東海地震」で、古文書の記録や伝承から、静岡県沼津市で津波が斜面を駆け上り標高36メートルを超える地点まで達していた可能性がある」との報告が行なわれたというニュースが流れ、アチラコチラで話題になっています。

新聞でも、毎日jpasahi.comなどに記事が出ています(他の新聞にも出ているかも知れませんが、私が気がついたのがこの2紙だっただけです)。

話題の沼津市の平目平は、戸田(へだ)地区にあります。駿河湾の一番奥の、入り組んだ海岸沿いの港がある場所です。地震の発生場所にもよりますが、駿河湾内で地震が起きて津波が発生すれば、その一番奥の地域は当然津波が大きくなるわけです。特に駿河湾は深いですし、戸田のある伊豆半島の海岸沿いは入り組んでいますので、場所によってはかなりの高さになることは予想されます。
確かに、警戒する必要はありますし、対策をとらないといけませんが、平目平の立地のことを考慮すれば、他の地域にそれに相当する津波が来るとは一概には言えないと思います。

また、毎日jpの「中部電力浜岡原発(同県御前崎市)から30~40キロの磐田市掛塚でも標高10メートルの場所まで浸水した可能性があった」という記事も、その立地を知らない方にはかなりのパニック記事ですが、正確に言うと、「浜岡原発のある御前崎市から、西に30~40キロの場所にある海岸沿いの磐田市掛塚でも」というふうになります。掛塚は天竜川の河口にある港町です。遠州灘に面していますので、津波が来れば被害があると想像できる場所です。

個人的には、平目平の36メートルよりは、掛塚の10メートルの方が心配です。なぜならば、浜岡原発も掛塚と同じように遠州灘に面した場所にありますので、津波の規模によっては当然同じような被害が想定できるからです。

常に言っていますが、特に浜岡原発で「想定外」という言葉は、もう通用しません。かなりいろいろなデータから、浜岡原発の立地上の危険性が指摘されているわけで、今回の報告もその危険性の指摘をさらに補う意味で重要なものだと思います。もう少し詳しい情報が欲しいですね。東大地震研のHPで、報告の詳細が発表されないでしょうかねぇ?

0 件のコメント:

コメントを投稿