2010年11月8日月曜日

『週刊金曜日』2010年11月5日 第822号(その3)

話題を変えて、「大塚将司の経済私考」から。

「為替・貿易のアナーキズムの是非を問え」、「日本は国際的管理スキーム模索をリードせよ」という話です。

「第二次世界大戦の勃発は、金本位制が崩壊し、ブロック経済圏の構築により保護貿易に走ったのが要因となった。」という話が最初に来ていますが、これはそのとおりだと思います。
特にイギリスが金本位制を離脱したことのショックは、当時の世界経済に大きな影響を与え、世界恐慌による昭和恐慌の影響から、まだ十分立ち直りきれていなかった当時の日本経済を直撃し、満州事変のショックがそれに拍車をかけて、日本が戦争への道をひた走る結果となったのです。
特に地方はそれによって大きな打撃を受けるのです。ですから、「二・二六事件」で青年将校たちが憂いた地方農村の危機を何とかしなくてはならない状況が、大陸へと向かうことになるのです。
私が調査した地域でも、金融恐慌の時にはなんとか持ちこたえた地方の中小銀行が、イギリスの金本位制離脱、満州事変により、「取り付け」になった銀行が見受けられるのです。

戦後のブレトン・ウッズ体制は、その反省から生まれ、ドル金本位制と呼べるシステムで、それを前提にGATTが締結され、自由貿易体制を目指したものです。で、それがたまたま大成功し、西側資本主義諸国は、史上類を見ない高度成長を果たしたのですが、それは本当に運良く成功したのだと思います。
しかし、西側資本主義諸国は、その成功がさも当然の成行きであったがごとく勘違いしたため、71年のニクソン・ショックにより、73年のブレトン・ウッズ体制の崩壊後も、GATTの自由貿易体制をストップさせることなかったがゆえに、現在の状況になってしまったのだと思います。

変動相場制に移行後の為替相場は、まさに無政府状態、アナーキズムで85年のプラザ合意もたまたまうまくいったにすぎず、世界経済にとって為替・貿易のアナーキズムは、けっして望ましいことではない、むしろ改善しなくてはならない状況だと思うのです。何らかの国際的な管理スキームが必要な状況であることは間違いないと思われるのです。

ただ、それを日本がリードできるかといえば、それは無理でしょう。昨今の政治状況を見る限り、国際経済システムの大改革を、日本が主導的役割を果たすことなど、できるとは思えません。
そうなると、どの国がリードするのかなぁ?アメリカは中間選挙の結果でオバマは弱っているし、EUも無理そうだし、ここで中国が出てくると今後面倒なことになりそうだし、韓国とかインドあたりか、あるいはブラジルかなぁ。しかし、どこもピンとこないですねぇ。やっぱり、日本にもっとしっかりしてもらって、頑張ってもらうのが一番いいんですかねぇ。

0 件のコメント:

コメントを投稿