2010年11月16日火曜日

『週刊金曜日』2010年11月12日 第823号

佐藤優 責任編集」「特集 沖縄と差別

もうこの表紙の文字だけで、ぜひ買ってください(別に『週刊金曜日』や佐藤優氏の関係者ではありません(笑))。

沖縄県知事選の11月28日投開票が近づく中で、その重要性を全面に打ち出している日本の雑誌は、おそらく『週刊金曜日』だけでしょう(別に調べたわけではありませんが)。
この県知事選の結果が、どれだけ大きな意味を持つのか、それは沖縄だけではなく、日本にも大きな影響を及ぼす問題であり、11月28日以降の日本の政治がどれだけ混乱するか、一般の日本国民はほとんど理解していないことでしょう。佐藤優氏が、それをズバッと指摘しています。
ですから、できるだけ多くの方に、今週の『週刊金曜日』を読んでもらいたいのです。

以前から『琉球新報』や『沖縄タイムス』をチェックしている私にはわかるのですが、いかに本土の新聞、『朝日新聞』や『読売新聞』がダメか、多少『朝日新聞』は「沖縄に対する差別」に気づいているようだと言っても、その報道の背後にある「差別的眼差し」に気づいていないのです。

本土の圧倒的多数は、沖縄をめぐる日米双方の動きについて、「沖縄の問題」であると思っているのであり、それが本土には関係がないと思っているから、メディアの姿勢次第でどんな色にも染まっていくわけです。
否、そのメディアも現在では、政治家や官僚の情報に左右されているから、政治家や官僚が沖縄をどう思っているかを反映したものになっているのです。
ですから、一部の政治家や官僚たちの思うようにさせてはならないのです。
沖縄につながる全ての人(沖縄県民だけではなく、沖縄からでた人々、沖縄を心のふるさととする人々など)が、一致団結していかなければならないと思います。

その意味では、佐藤優氏の言う「沖縄人」の意識の再確立は大切なことだと思います。ロシア語に「ナロードノスチ」(日本語では「亜民族」と訳すそうですが)と言う言葉があるそうですが、「沖縄人」はまさにそれなのです。

佐藤優氏の「沖縄人」の定義は、

1.沖縄人とは、沖縄共同体を祖先とする自己認識を持つ人。
  2.1以外の人で、沖縄共同体に参加するという意志を持ち、行動する人

と言うことなのですが、この定義には大賛成です。ただ何故「琉球人」ではないかというと、「幕藩体制の異国であった琉球王国の記憶と結び付くので、外部のニュアンスがより強くなる。」ので、「沖縄人」のほうが良いということらしいのですが、そのような理由ならばむしろ「琉球人」のほうが、「沖縄への差別」がより鮮明になるような気がしますので、私的にはやはり「琉球人」にこだわりたいです(私の「琉球」へのこだわりは、このブログの一番始めの記事を見てくださるとわかります)。

佐藤優氏の巻頭の文章もそれほど長くはないので読みにくいわけではありませんが、佐藤優氏が、沖縄社会大衆党委員長の参議院議員糸数慶子氏、佐高信氏と対談している、「座談会「沖縄人宣言」のすすめ 」のほうが、内容は巻頭の文章とダブっていますので、こちらのほうがより分かりやすいと思います。

また、佐藤優氏の巻頭の文章と座談会の記事との間に、四人の方の文章があるのですが、『小説琉球処分』の著者大城立浩氏の「いまさらの琉球処分」もなかなか良いです。
明治政府が琉球王国を併合したのは、「国防」のためだと述べられていますが、それは内務卿大久保利通が「清国」とのかかわりを意識してのことです。尖閣諸島をめぐる中国とのやりとりを見ていると、このこととダブって見えます。 そう考えると、尖閣諸島問題も沖縄を考えないと解決できないように思います。NPO法人ゆいまーる琉球の自治」で主張されている、「琉球独立」がますます現実的に必要な情勢になっているように思えてなりません。
もう一人、民主党衆議院議員の瑞慶覧長哲(ずけらん ちょうびん)氏の文章にある、「沖縄は歴史的にも文化的にも、「非武の島」と呼ばれた伝統を色濃く持っている。」という部分を読んで、以前何かで、ナポレオンが「非武の島」琉球王国のことを耳にして大変驚いた、と言う文章を読んだことを思い出しました(何の本か忘れたので、どういった内容か定かではありませんが。最近目にしたような気がするのですが・・・)。
それから、「政府も党も、「日米同盟の深化」などとも言うが、そもそも「同盟」とは軍事的意味が濃厚だ。」という文を見て、確かに新聞などでも「普天間問題」の時には、「日米同盟」を盛んに使っていましたね。いつから「日米同盟」というようになったのでしょうか?いつの間にかどさくさに紛れて、軍事的結びつきが強まっているということなのでしょうか?日本、危険ですね。


特集の最後には、「「沖縄の心」にふれ民族を考える」ための16冊の本が紹介されています。どれも、読みたい本ばかりです(さすがに16冊全部は金銭的にも厳しいので、せめて数冊手に入れて読みたいと思います)。


小説 琉球処分(上) (講談社文庫)
小説 琉球処分(下) (講談社文庫)

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